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通販通信ECMOニュース・記事コラム【FDAとは】FDA対象商品と認証手続きの手順について解説

2023.04.15 コラム

【FDAとは】FDA対象商品と認証手続きの手順について解説

FDAとは、米国食品医薬品局の略称で、日本からアメリカに食品や化粧品などのFDA対象商品を輸出・販売する際は必ずFDAの認証を取得する必要があります。本記事では、FDAの概要からFDAの対象となる商品、FDA認証の取得手続きについて解説しています。

FDAとは

 FDAは、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称で、アメリカ合衆国保健福祉省の下部組織の一つです。

 医薬品、医療機器、血液製剤、食品、化粧品、タバコ製品など、人々が使用するあらゆる製品の安全性、効力、品質を確保することを目的としています。また、これらの製品の承認、規制、監視を行い、市場に出回る前に製品の安全性と有効性を評価しています。

 さらに、医療技術の進歩を促進し、国民の健康を保護するために、製造業者、輸入業者、流通業者、医療従事者、消費者に対して指導や監督を行っています。日本における厚生労働省に近い役割をFDAは担っています。

FDA対象商品

 FDA対象商品は、日常的に人々が口にする食品・飲料から、皮膚に直接触れる化粧品や医薬品、さらには医療機器(メディカルデバイス)や放射線放出装置などが該当します。本項目では、商品のカテゴリーごとにFDA対象商品について解説してきます。

◇食品・飲料

 FDAが定義する食品・飲料品は以下の通りです。一般食品や健康食品、嗜好品などほぼすべての食品・飲料が定義されています。

・果物、野菜
・魚、海鮮食品
・卵、乳製品
・食品または食品成分として使用される未加工農産品
・飼料、ペットフード
・食品添加物、飼料添加物
・栄養補助食品及び食品成分
・乳幼児用調整乳
・飲料(アルコール飲料を含む)
・パン
・スナック菓子
・砂糖菓子
・生きた食用動物
・缶詰
・タバコ

◇化粧品

 FDAは化粧品を「人の体に塗る、馴染ませる、スプレーする等により、体をきれいに美しくし、魅力を高め、または外見を変えるためのものであること」と定義しています。具体的に化粧品には、以下の商品が該当します。

・スキンケア化粧品(化粧品、乳液、洗顔料など)
・メイクアップ化粧品(口紅、ファンデーション、コンシーラーなど)
・ヘアケア化粧品(シャンプー、リンス、トリートメントなど)
・ボディーケア化粧品(ボディークリーム、日焼け止めなど)
・フレグランス化粧品(香水など)

 上記以外にも、入浴剤や歯磨き粉なども化粧品に分類されます。

◇医薬品

 FDAは医薬品を「人や動物の疾病の診断・治療・予防を行うために与える薬品」と定義しています。これには、処方箋や市販の薬以外にも、ワクチンや血液製剤、遺伝子治療製品なども医薬品に該当します。さらに、薬用シャンプーや薬用トリートメント、育毛剤なども薬としての作用を明記しているため、化粧品ではなく医薬品に分類されます。

 化粧品と医薬品は、日本ではあまり明確に分けられていませんが、FDAでは化粧品と医薬品が明確に定義されています。また、規制の厳しさやFDA認証の手続きも化粧品と医薬品では異なるため、注意が必要です。

 特に、化粧品または医薬品をアメリカに輸出・販売する予定の企業は、自社の製品が化粧品と医薬品のどちらに該当するのかを事前に調べておきましょう。

◇医療機器(メディカルデバイス)

 医療機器(メディカルデバイス)とは、病気の診断や治療、予防に使われる機器のことです。具体的に、体温計などの身近なものから手術の際に使用されるメスやピンセット、CTやMRIなどの大型機器まで幅広く存在します。

 FDAでは、1700種類以上ある医療機器を人体に及ぼす影響度を見て、クラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢの3つのクラスに振り分けています。クラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢには、それぞれ以下のようなものが該当します。

▼FDAクラスⅠ

 絆創膏や包帯、手袋などの医療的管理が簡単な医療機器。

▼FDAクラスⅡ

 妊娠検査キットや電動車椅子、麻酔装置、輸血ポンプ、心臓モニターなどの医療的に特別な管理を必要とする医療機器。

▼FDAクラスⅢ

 ペースメーカーや人工心臓用バルブ、心肺装置などの医療的に高度な管理を必要とする医療機器。

 医療機器(メディカルデバイス)のFDA認証を取得する際は、申請する医療機器がどのFDAクラスに該当するか事前に調べておきましょう。

◇放射線放出装置

 放射線放出装置とは、レーザーや無線周波数、X線関連製品などのことです。具体的に、レーザープリンタや超音波洗浄機、電子レンジ、X線装置などが放射線放出装置に該当します。


FDA認証を取得する際に日本企業が必要となる手続き

 FDA規約に該当する商品を日本企業がアメリカ国内で販売または日本からアメリカに輸出する際は、事前にFDA認証を取得する必要があります。そして、FDA登録に必要な手続きは商品のカテゴリーによって異なります。本項目では、食品・飲料のFDA認証を取得する際に日本企業が必要となる手続きを解説していきます。食品・飲料のFDA認証取得手続きの具体的な手順は以下の通りです。

1.製造施設の登録
2.米国代理人の指定
3.商品ラベルの英語化
4.食品安全計画の策定
5.事前通知

 順番に解説します。

1:製造施設の登録

 アメリカで人々や動物たちが口にする食品や飲料などは、製造施設をFDAに登録する必要があります。なお、登録には日本国内の施設だけでなく、日本国外の施設も全て登録する必要があります。また、製造施設と加工、梱包、保管施設が分かれて存在する場合は、全ての施設をFDAに登録します。

2:米国代理人の指定

 FDAでは、米国代理人の指定が義務付けられています。米国代理人とは、もしもの事態が起こった際に申請企業に代わってFDAと連絡を取れる人を指します。米国代理人の条件は、アメリカに拠点を構えており、24時間登録施設の代理としてFDAと連絡を取れる人です。前述の条件に当てはまっていれば、個人でも企業でも米国代理人として認められます。

 このように、日本国内の企業がFDA登録を行う際は、米国代理人を見つける必要があります。なお、米国代理人は毎年更新が義務付けられています。

3:商品ラベルの英語化

 FDAは、商品のラベル表示を「商品またはその内容又は包装全てのラベル及びその他の書面、印刷、またはグラフィック事項、またはそのような商品に付随するもの」と定義づけています。

 これによって、商品のパッケージや説明を日本語での記載だけでなく、英語での記載も行わなければなりません。"


4:食品安全計画の策定

 米国では、食品安全強化法(Food Safety Modernization Act)が定めらえています。そのため、日本から米国へ食品や飲料を輸入販売する場合は、食品安全計画の策定を行う必要があります。

5:事前通知

 米国に食品・飲料を輸出する際は、FDAに対して事前通知を行わなければなりません。

 事前通知には、以下の情報が必要となります。

・発送者名、発送者住所
・受取者名、受取者住所
・食品製造会社情報
・食品名
・食品の量
・食品の梱包形態
・運送情報 など

 以上、FDA認証を取得する際に日本企業は5つの手続きが必要となります。

FDAを取得しなかった場合の罰則

 ここまでの内容で、FDAのルールを守ることの重要性について理解していただけたかと思います。では、FDAを取得せずにアメリカで食品や化粧品、医薬品などを販売するとどのような罰則を受けるのでしょうか。本項目では、FDAのルールを破った際の罰則について解説していきます。

▲警告書の送付

 FDAのルールを破った場合、初めにFDAから製造施設の米国代理人に対して、警告書が送付される可能性があります。警告書の中には、法的な問題点や改善が必要な点が記載されています。

▲製品の差し押さえ

 事実とは異なる商品ラベルを使用している食品や化粧品、薬用品がFDAに見つかると、FDAによって製品が差し押さえられる可能性があります。

▲活動禁止命令

 長期間にわたって違反を続け、今後も改善の兆しが見えない場合には、FDAによって活動禁止命令が下される可能性があります。

▲刑事告訴

 米国の法律に違反した場合や傷害事故を伴う違反を起こした場合、FDAは事業者に対して刑事告訴を行えます。これによって、事業者は罰金(約1100万円~約5500万円)、懲役を伴う刑罰のいずれかもしくは両方を課せられる可能性があります。

FDA認証を必要としない場合

 ここまで、FDA認証について解説してきました。では、FDA認証を取得しなくても良いケースにはどのような場合があるのでしょうか。本項目では、FDA認証を必要としない場合を具体的に解説していきます。

1:アメリカで購入した商品をアメリカ国内の自宅に送る場合

 原則的に、アメリカ国内で購入した商品は、FDA認証を取得する必要はありません。そのため、アメリカ国内で購入した商品をアメリカ国内の自宅に送る場合には、FDA認証はいりません。これは、購入者がアメリカ在住者であっても、他国からの旅行客どちらであっても同じです。

2:自身で使用するために日本製品をアメリカに持ち込む場合

 自身で使用するために日本製品をアメリカに持ち込む場合は、FDA認証を取得する必要はありません。日本製のシャンプーやリンスなどの自分自身で使用するために、アメリカに持ち込んだ場合、FDA認証は必要ありません。また、食品に関しても同様で、日本の食品・飲料を自分自身や友達、家族などで消費するためにアメリカに持ち込むのであれば、FDAの認証は不要です。

 このように、日本製品を販売目的以外でアメリカに持ち込みや輸送する場合は、FDA認証が要りません。

まとめ

 日本からアメリカに食品や化粧品、医薬品などを輸出・販売する際は、FDA認証を取得する必要があります。どの商品がFDA認証取得必要か、あらかじめしっかりと把握しておきましょう。

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