政府は18日、悪質な商法を行う事業者名の公表を明文化した国民生活センター法の改正案と、霊感商法への対応を強化した消費者契約法の改正案を閣議決定した。今国会へ提出し、早期成立を目指す。公布日から20日後に施行される。

記者会見する河野太郎消費者相(18日午前)
国民生活センター法に「事業者名の公表」を明文化
国民生活センター法の改正で、(独)国民生活センターが悪質な商法から消費者利益を守るために、事業者名を公表できる規定を追加した。現行法でも事業者名の公表は可能だが、どのようなケースで公表できるかがあいまいだった。
改正案では、「消費者の生命、身体、財産、その他の重要な利益を保護するため、特に必要があると認められる」場合に、事業者名などを公表できると規定した。
同センターが行うADR(重要消費者紛争解決手続き)の迅速化や、適格消費者団体へのADR情報の提供なども盛り込んだ。
消費者契約法の取消権の要件拡大 占いサイトを発端とした被害が増加
消費者契約法の改正案は、霊感商法による商品購入などの契約を取り消しやすいようにした。契約した本人だけでなく、「親族」も対象に追加。また、現行法は「将来生じる不利益」の不安をあおる場合が対象だが、「現在生じている不利益」も対象に加えた。
マインドコントロールから抜け出すために時間がかかることから、契約が取り消せる期間を締結時から10年に、被害に気付いてから3年に延長する。現行法はそれぞれ5年、1年としている。
霊感商法に関する消費者相談は、ここ数年1200~1500件で推移。かつては印鑑や壺などの高額商品を購入させる商法が流行したが、その後、開運商法が増え、最近ではインターネット上の占いサイトの利用をきっかけとした被害が後を絶たない。
18日の閣議後の記者会見で、河野太郎消費者相は「必要なことはしっかりと法案にまとめることができた。なるべく早期の成立を図りたい」と語った。
(木村 祐作)
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