2021.09.29 調査・統計
ESG・SDGsに積極的だと感じる業界、1位は「飲料」業界
目次
「ESG」の認知度が年々拡大
「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。6月下旬に全国の20~69歳の男女計1万人に聴取した結果、「ESG」の認知度は33.1%。昨年比で10ポイント上がっており、年々認知度が拡大していることが分かる。
調査は、注目度が高まっているESGにフォーカス。企業のESGに関する取り組みの中でも、特に企業広報として生活者などステークホルダーに伝えるべき項目に着目した。独自の視点からESG項目を設定、その上で、その上で生活者に「積極的に取り組んでいる」と感じられているESG項目を測定し、「ESGレピュテーション(評判)」として算出した。
「飲食」はボトルのリサイクルなどで高い認知率に
それによると、業界別では「飲料」「鉄鋼・重機」「損保・生保・商社」の順となった。「飲料」のESG構成比では「E:環境」の割合がトップで、ボトルのリサイクルなど生活者が認知しやすい取り組みを発信できていることが要因の1つと考えられる。一方、「損保・生保・商社」は、「S:社会」と「G:ガバナンス」の割合が大きく、生活者への説明責任や消費者保護などが強く求められる業界の特徴が表れた結果と推察される。
生活者が企業に対して「積極的に取り組んでいる」と感じるESG項目では、1位が「S:社会」の「消費者にとって分かりやすい表示・説明」(26.2%)だった。消費者へ向けられた誠実な姿勢・情報発信は認知されやすく、どの業界・企業でも必須の取り組みだと考えられる。2位も「S:社会」の「従業員にとって分かりやすい表示・説明」(23.9%)、3位は「E:環境」の「リサイクルなど資源の有効活用」(23.4%)となり、社会と環境に関する項目が上位を占めている。
ESGの情報入手先、1位は「テレビ番組」・2位「商品・サービス購入」
企業のESGに関する取り組みを、どんなところで見聞きしているのか。1位は「テレビ番組」(16.9%)、2位は「商品・サービスを購入して」(16.8%)、3位は「WEBメディア」(11.8%)、4位は「テレビCM」(9.4%)、5位は「新聞記事」(8.7%)となった。
情報源を「リアル」「メディアの番組・記事」「ソーシャルメディア」「オウンドメディア」「メディアの広告」に分けてみると、「リアル」の接点が31.4%、次いで「メディアの番組・記事」(29.2%)、「メディアの広告」(12.8%)となった。企業のソーシャルメディアの活用も進んでいるが、ESGの取り組みの認知経路としては、まだ影響力を持っていないことが分かる結果となった。
「SDGs」の認知度は76.7%に
調査では、SDGsについても質問した。「SDGs」とは、持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成される2030年までの国際目標だ。その認知度は76.7%で、昨年の約2倍に増えていた。中でも約3人に1人は「詳しく知っている」と回答しており、単語の認知だけでなく、内容の理解まで進みつつあることがうかがえる結果となった。
「SDGs」の達成目標について、関心のある項目の上位は、1位「すべての人に健康と福祉を」、2位「貧困をなくそう」、3位「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」。1位については、コロナ禍で日本だけでなく世界規模で健康や医療・福祉などの重要性を感じたり、改めて見直す機会が増えていることで、ますます注目されていると考えられる。
56.4%が「何かしらの行動を起こした」
企業のESGやSDGsの取り組みを認知することは、生活者の行動にも影響があるのか。ESG項目を提示し、企業のESGに関する取り組みを想起できた人に、何か行動したかを聞いたところ、56.4%が「何かしらの行動を起こした」ことが分かった。
そのトップは「魅力を感じた企業や商品・サービスのWEBサイトを閲覧した」(22.6%)、2位は「検索サイトで調べた」(14.5%)、3位は「購入または利用した」(13.0%)。認知後に主体的に情報を得ようとするだけでなく、購入・利用にまでつながっている人が存在している。4位は「家族や友人・知人とシェアした・話をした」(12.9%)で、人に伝えたくなるような情報を発信することで、さらなる拡散につながる可能性もうかがえる結果となった。
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