シニア女性のスマホ保有率がいよいよ9割超え――。女性誌部数No.1の雑誌「ハルメク」を発行する(株)ハルメクの生きかた上手研究所が28日発表した『デジタルデバイスに関する意識と実態調査』の結果によると、シニア女性のスマホ率は10年で0%から92.2%に。スマホ決済や動画視聴の利用が急伸し、60代まではSNS利用も増加しているという。
98%が何らかのネット端末を利用、スマホ所有は92%
調査は55~74歳の女性527人を対象に、郵送の紙アンケートで実施。コロナ禍も影響するデジタルシフトは、一昨年まで苦手意識を持っていたシニア層も例外ではなく、感染リスクを下げるという確固たる動機づけが後押ししているようだ。「ハルメク」による同様の調査は2011年から。10年以上蓄積してきたデータに基づき、シニアのデジタル意識と変化を顧みた。
それによると、21年調査の回答者527名うち98.5%がPC、スマホ、タブレット、ケータイ(ガラケー)のうち、少なくとも1つを保有。4種のデバイス保有率の推移を見ると、21年はスマホが90%(11年の0%から21年は92.2%にまで大幅伸長)を超え、ケータイ(ガラケー)保有率が10%を切った。また、わずかだがパソコンの保有率が2年連続で増えている。
スマホ所有女性の2人に1人が「ネットショッピング」利用経験あり
21年はスマホ保有歴3年目以下が50.9%、4年目以上が42.8%だが、昨年比ではスマホデビューした「保有1年目以下」が7.9ポイントアップしていた。また21年では、シニア女性の2人に1人がネットショッピングの利用経験があり、昨年から今年にかけて急伸していた。
同じく21年は、パソコン保有者218人の51.4%がパソコンで買い物をしたことが「ある」。スマホ保有者486人も、39.3%がスマホでの買い物経験があった。スマホでの買い物率は年々増加傾向にあるが、現段階では、まだパソコンでの買い物率の方が高いようだ。
写真撮影・電話・LINE・メール・検索が利用率8割超え
利用率が8割超えの機能やアプリは「写真撮影」(92.8%)、「電話」(89.9%)、「LINEメッセージのやり取り」(88.5%)、「メール」(85.8%)、「調べ物(WEB検索)」(81.1%)。直近3年で利用伸長率が10pt以上の機能やアプリは「スマホ決済」(20.9pt)、「ネットショッピング」16.8pt)、「動画を見る」(16.5pt)、「音楽を聴く」(13.4pt)、「割引クーポンの入手」(11.1pt)だった。
また、Instagramは50~60代前半のシニア女性の利用率が急増中。50代に限れば、Twitter利用率も上がっている。どちらも動画との相性が良く、動画を見る人が増えている現象ともリンクしている。一方、Facebookの利用は停滞傾向が続いている。
生きかた上手研究所の梅津順江所長は、コロナ禍の収束後も、「不安」「不満」「不便」「負担」解消のためのデジタル利用は定着すると予測。「充実」「快楽」にまつわるつながり消費はリアルが活気づくが、個人差はあるものの「キャッシュレス決済」「オンライン診療」「ネット通販」など、「不や負」の緩和領域をリアルに戻すことは考えられないという。これからは、シニアがデジタルとリアルをどう使い分けしていくかの視点を持った洞察が必要となるとしている。
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