2021.04.30 調査・統計
20年EC決済サービス市場、16%増の19兆円…後払い決済は23%増
EC市場の拡大を背景に、EC決済サービス市場も拡大を続けている――。(株)矢野経済研究所がこのほど公表した「EC決済サービス市場に関する調査」のまとめによると、決済サービスの展開領域は多岐に渡り、2020年度のEC決済サービス市場は19兆円を超え、24年度には30兆円規模の成長を予測している。

コロナ禍でEC事業をスタートする会社が増加
調査は1~3月。国内のECサイト向けの決済サービス提供事業者らに市場を調査し、現況や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。取扱高ベース見込みによると、20年度は前年度比16.6%増の19兆1561億円で、21年度は同15.1%増の22兆565億円。次年度以降も堅調で、24年度は30兆1815億円を見込んだ。コロナ禍を機にEC事業に進出する事業者やD2Cに取組む事業者が増えており、そうした事業者の中でもEC決済サービスの導入が進んでいる。一方で、決済代行業者間の手数料率の引き下げ競争が激化。そのため、加盟店のサイト集客支援や販促支援、送金サービスなどにより、決済手段以外の付加価値を提供することで差別化を図っている。
さまざまな決済手段サービスが登場する中、大手決済代行業者などでオンライン取引でのQRコード決済を拡充する動きが出ている。多様化する決済手段に対応することで、より広い層の消費者を取り込もうとする加盟店に対し、EC決済サービスの利用促進を図る意味合いがある。QRコード決済金額が占める割合はまだ小さいものの、利用は急増している。
コロナ禍で対面の代引きを避け、後払い決済に移行が進展
同研究所は、マンスリークリア型が台頭する後払い決済サービス市場にも注目。BtoC領域のECによる後払い決済サービス市場は堅調に拡大し、20年度は前年度比23.3%増の8820億円を見込んだ。EC市場が活発化する中、宅配業者と対面する決済を避けるため、代引きから後払い決済への移行が進むなどして、後払い決済の利用が拡大している。また、一定期間内の購入に対して月一回にまとめて決済するマンスリークリア型が注目されている。トランザクションの発生が集約されるため、利用者には利便性が高く、事業者も請求書の発行などにかかるコストが軽減できるというメリットが生じると考える。今後、高精度な即時与信機能の実装によるEC事業者の導入拡大などを背景として、24年度の後払い決済サービス市場は1兆8800億円規模になると予測した。
コロナ禍などを背景に幅広い業種でEC化が進んでおり、この先もBtoC領域のEC市場の拡大に伴ってEC決済サービス市場は拡大が見込まれる。購買行動ではオンラインとオフラインのボーダレス化が進み、オムニチャネルや対面領域の決済サービス提供も強化される。事業者はBtoB領域の企業間取引の決済サービス提供にも一層注力していくとみている。
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