(株)ICT総研が5日発表した「2021年 フードデリバリーサービス利用動向調査」の概要によると、コロナ禍による利用拡大が続き、市場規模は大きく拡大。21年には5678億円を見込んだ。利用者数のトップは「出前館」、2位は僅差で「ウーバーイーツ」だった。
フードデリバリー市場は20年に4960億円へ
同社によると、日本の飲食宅配サービスは個人経営店による出前が一般的だったが、1980年代にピザの宅配サービスが開始され、さらに2000年代以降にネット注文サイトの運営が始まり発展を遂げてきた。10年代以降は国内外の大手運営事業者が続々と市場に参入し、多様なフードデリバリーサービスが展開されている。
推計では、ネット注文によるフードデリバリーサービス市場は18年に3631億円だったが、19年には4172億円へと市場規模が拡大した。さらに、コロナ禍で外食自粛が目立ち始めた20年は4960億円へと市場規模を大きく伸ばしている。21年もコロナ禍での利用拡大が続くため5678億円に成長、22年には6303億円、23年は6821億円に拡大すると予測した。
フードデリバリー利用者は32%、7割が男性
2月に実施した3604人へのWEBアンケートの結果では、1年以内にスマホアプリやパソコンなどを使用してサービスを利用したことのある人は32.3%(1164人)、利用したことがない人は67.7%(2440人)。利用者の約7割が男性で、女性は3割。年齢別では30~50代が7割を超えており、20代の利用者は1割以下に留まっている。
利用サービスは、「出前館」が最も多く428人。2位は「ウーバーイーツ」で426人と続いた。3位は「ドミノ・ピザ」で387人、4位は「ピザハット」で200人、5位は「ピザーラ」の185人と、ピザ系が上位を占めていた。
満足度1位は「ドミノ・ピザ」
「満足度」のトップは「ドミノ・ピザ」で77.4ポイント。「ピザーラ」が2位で75.5ポイント、3位が「ピザハット」で75.3ポイントだった。上位3サービスは、いずれもピザ系のデリバリーサービスだが、これらは宅配業務を各店舗が直接運営することが多く、トラブルが生じにくいシステムであることが高評価の要因と思われる。4位のdデリバリーは上位グループとほとんど差が無く75.0ポイントで高い評価を得ている。
一方、「不満」を感じる理由として、143人が料理代金以外の費用がかかることを挙げている。また、到着時間が遅れることがある(67人)、料理が冷めている(61人)といった不満要因も目立った。このほかにも、到着までの時間、配達員とのトラブル、問い合わせのしにくさ、アプリなどの使い勝手、決済手段などの指摘があった。フードデリバリーサービスは急拡大しているが、今後はこれらの課題を解決していくことが求められそうだ。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。