2021.03.03 調査・統計
コロナ便乗のネット詐欺は21年も拡大傾向、海外では宅配偽装などが多発
トレンドマイクロ(株)がこのほど公開した「2021年セキュリティ脅威予測」によると、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗して増加したサイバー攻撃活動は、21年も継続すると予測した。偽のオンライン決済サイトをはじめ、偽の懸賞応募や送金サービス、宅配偽装など、年明け前後に海外で確認、観測した複数の「ネット詐欺」の手口を紹介している。
21年のフィッシング詐欺は前年1Qの4.5倍に
同社によると、サイバー犯罪者による攻撃の継続予測は、コロナ禍でオンラインショッピングの利用者やECサイト上での決済サービスの使用頻度が増え、ECへの依存度が高まったことに加え、金融支援の必要性が増大したことにも起因する。サイバー犯罪者はコロナ禍以来、以前よりもフィッシングの手法を多く利用。21年になって確認されたフィッシングサイトは、20年第1四半期の検出数と比較して、350%の増となっている。
サイバー犯罪者は、ユーザーから簡単に金融情報を詐取するために偽のオンライン決済サイトの入力フォームを利用した。この手口は、コロナ禍が収束した後もフィッシングサイトの新たな規範となる可能性があるという。
カード情報の入力を促す偽の入力フォームの一例
5つの偽オンライン決済サービスはすべて作成後1カ月未満
同社はこの間、5つの偽のオンライン決済サービスサイトを確認した。ユーザーからクレジットカード情報を詐取する目的で構築されたと考えられ、うち2つは比較的新しいドメインで、残る3つも作成後1か月未満だったことが判明している。
ユーザーには偽サイトへのリンクが埋め込まれたメールが届く。一定額の支払いに同意すると、偽サイトはカード情報の有効性確認のために、正規トランザクション検証サービスに誘導。その後、支払いが成功したかどうかを示す表示もないまま、偽サイトは元の入力フォームへと誘導する。カード情報を入力してPayボタンをクリックすると、エラーメッセージが表示される。
送金詐欺手口に用いられたフィッシングメールの一例
別に確認したフィッシング詐欺は、「送金手数料を支払ってくれたら、個人アカウントに多額の振り込みをする」とユーザーに持ちかけ、カード情報を提供させようと試みた例だった。この送金詐欺の手口は、「偽のオンライン決済サービスサイト」とほぼ同様。カード情報の有効性が確認されると、銀行によって支払いが拒否されたことを示すエラーメッセージが表示される。
同社はほかにも、多額の振り込みをすると偽り、クレジットカード情報を詐取する詐欺手口や、偽の懸賞に申し込ませる詐欺手口。さらに、正規の郵便局や宅配会社を装ってユーザーから金融情報を詐取しようと試みる複数の宅配偽装詐欺を確認した。
メールアドレスやパスワードなどの認証情報を詐取するのはフィッシング詐欺の手口として知られているが、これらの手口で得られる利益はサイバー犯罪者にとって実りの少ないものとなっている。人気のオンラインショッピングサイトの多くが、Webサイトへの不要なアカウントログインを回避するために多要素認証の利用を推奨しているからだ。
サイバー犯罪者はフィッシング詐欺でカード情報取得の傾向に
このためフィッシングの背後にいるサイバー犯罪者にとっては、認証情報を窃取する代わりにクレジットカード情報やデビットカード情報を詐取するほうが容易といえる。実際、ATMがカードレスでの引き出しに対応している場合、物理的な銀行カードを必要としない。取引を行う前にPIN番号が必要となるが、サイバー犯罪者にとってはランダムな文字列を自動作成・入力する「総当り攻撃」を実行することで簡単に解決できる問題だという。
同社は、フィッシングの脅威からセキュリティ保護を維持し続けるために、ユーザーはいくつかのベストプラクティスに準拠する対策を実施することが推奨されるとして、被害に遭わないためには「Webサイトのドメイン(URL)を確認する」「届いたメールやSMSは注意深く確認すること」を呼びかけている。
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