総合マーケティングビジネスの(株)富士経済が実施した「機能志向食品(サプリメント)の国内市場調査」の結果によると、2020年の市場見込は前年比0.6%増の9483億円。コロナ禍の影響は大きく、生活習慣病予防や免疫賦活作用などで特需がみられ、市場は拡大している。
免疫作用に関わる成分に注目が
インバウンド需要の落ち込みで「美容効果」などが苦戦する一方、疾病予防やセルフメディケーション意識の高まりが顕著。乳酸菌関連やビタミン・ミネラルなど免疫作用に関わる成分や訴求に注目が集まったことで、「整腸効果」「免疫賦活作用」「マルチバランス」「生活習慣病予防」などを中心に特需がみられた。また、運動不足解消ニーズを捉えた「スポーツサポート」が好調であり、市場は前年に続き拡大すると予想される。
高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの対策を訴求した商品を対象とする「生活習慣病予防」の20年見込みは、前年比4.0%増の1185億円。コロナ禍以降、病院での受診を控える動きや高血糖などの基礎疾患により、感染症が重症化する恐れがあるとの報道の影響からセルフメディケーション意識が高まっており、市場は拡大するとみられる。
コロナ太りを防ぐ製品が伸びると予想
「中性脂肪値・コレステロール値改善」は、セルフメディケーションへの意識の高まりや、コロナ太りによる脂肪対策商品の引き合いが強まり、前年を上回るとみられる。「血糖値改善」は、高血糖などで感染症が重症化する恐れがあるとの報道が追い風となったほか、コロナ太りのニーズも獲得するなど好調。「高血圧予防」「認知機能サポート」も、広告投下効果や予防意識の高まりから、伸びると予想される。
「スポーツサポート」の20年見込みは前年比19.0%増の713億円。外出自粛によるコロナ太りなどを解消するため、「家トレ」に励む人が急増。また健康寿命延伸のため、長期的にスポーツ人口は増加していくとみられ、今後も市場拡大は続くと予想される。
乳酸菌類・プロポリス・エキナセアなど大幅伸長
「ストレス緩和・睡眠サポート」は前年比7.6%増の127億円を見込んだ。コロナ禍による生活の変化や不安感からストレスを感じたり、睡眠の質を気にする需要を獲得し、市場は拡大するとみられる。
「免疫賦活作用」の20年見込みは前年比7.1%増の270億円。感染対策として免疫力を高めることの重要性が認識され、乳酸菌類やプロポリス、エキナセアなどが大幅に伸長。また、11月に「iMUSE プラズマ乳酸菌 サプリメント」(キリンホールディングス)、12月には「免疫サポート」(ファンケル)が発売された。両商品は、免疫機能に関するヘルスクレームで届出が受理された機能性表示食品であり、市場の拡大に寄与するとみられる。
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