2026.03.19 通販支援
2026年 越境EC市場はこう動く…グローバル商圏で勝ち抜く最短ルートとは?
閉塞感が漂い始めた国内通販市場。そこで、海外市場をターゲットとした越境ECの取り組みが重要となっている。しかし、言語・決済・物流などの問題が立ちはだかり、尻込みする通販会社も多い。そうしたなか、「まずはスタートラインに立ってほしい」と呼びかけているのが、BEENOSグループのBeeCruiseでGlobal Growth Hacksゼネラルマネージャーを務める岩本夏鈴氏。とりあえず越境ECを始めることで、どのようなメリットが生じるのだろうか――越境ECに取り組む意義について話を聞いた。
海外需要を無視できない状況に
――越境EC市場の現状をどう見ていますか?
岩本夏鈴氏(以下、岩本):越境EC市場は日本市場と比較して市場規模が大きく、オンライン購入へのシフトが進むことで、日本だけではなく世界的に伸びている傾向があります。各国・地域のEC化は、新型コロナの流行をきっかけに進み、日本の商品に対する越境ECの需要も大きくなっています。
成長鈍化の傾向があるとは言え国内のEC市場は年々拡大しており、依然として日本の通販会社さんにとって、国内市場での事業拡大は優先順位が高いと思われます。
その一方で、競合他社が越境ECを始めると、焦燥感からか、海外に目を向け始めるという傾向も見られます。大手の通販会社さんの場合、今後の事業拡大を考えると、海外需要を取り込むことが、もはや不可欠となっています。小規模の通販会社さんでは、越境ECの方が、よりチャレンジングな取り組みを進めやすいと言えるでしょう。
現在、日本に多くの外国人が訪れ、さまざまな商品をたくさん購入しています。この状況を目の当たりにしているわけですから、どの規模の通販会社さんも、海外需要を無視し続けることは難しくなってきたと思います。
――日本企業による越境ECは、スムーズに進んでいるのでしょうか?
岩本:事前にリスク調査を行って、どこまで対策を取るのかで状況が変わってきます。企業規模が大きいほど、リスク対策も大がかりなものになりがちです。国内事業などへの影響を考慮し、事前にリスクを検知して対策を取ることが多いですね。
一方、小規模の通販会社さんの場合、リスクの捉え方が異なります。海外へ販売するための支援ツールは多数ありますので、あとは、自社で配送方法を調べて送ることになります。小回りが利くことから、割と早期からチャレンジしているようですね。例えば、SNSで海外のお客様が買いたいと言ってくれたため、海外対応が可能なツールを経由して販売するという動きも見られます。
BeeCruise株式会社 Global Growth Hacksゼネラルマネージャー 岩本夏鈴氏
課題があっても始めることが大切
――越境ECで直面する課題として、どのようなものがありますか?
岩本:小規模の通販会社さんも本格的に展開するとなると、物量が増えてきますよね。それに対応するためのリソースや体制の問題が出てきます。
さらに、販売先の国・地域の法律や税務に関するルールにも注意する必要があります。最近、米国のトランプ大統領が新たな関税ルールを打ち出しましたよね。そうした突発的な動きにも対応しなければなりません。法令面では、例えば、海外に法人の籍を置いていなくても、その国・地域の個人情報に関する規制を守ることが求められます。
社内体制については、1日に数十件から数百件を海外へ出荷できるオペレーションを組む必要があります。お問い合わせが寄せられた時に、毎回さまざまな言語から翻訳して配送するという悩みもあります。
こうした課題に加えて、物流や配送という面では、世界情勢の変化により影響が及ぶような事態が発生することもありますし、決済という側面ではセキュリティ対策の重要性が高まっており、市場が大きくなることでリスクも上昇します。このような動向をキャッチアップして対策できるかが問われます。
――グローバル商圏で成功するために、通販会社さんにとって重要な取り組みとは?
岩本:注意してほしいのは、越境ECを展開するためのオペレーションや販売ルールなどの体制整備に力を入れすぎると、前進しにくくなること。いろいろな準備を一斉にやり始めると、スタートラインに立つ前に疲れてしまいます。また、リスクを考えすぎると、「やっぱりやめよう」となるのではないでしょうか。
当社がお伝えしたいのは、越境ECを支援するツールや専門会社がたくさんありますので、それらを活用して、すぐにでもスタートラインに立つことが大切ということです。
通販会社さんにとって本当に大事な点は、まずはスタートラインに立って、海外のお客様に自社商品を好きになってもらうこと。これはメーカーさんや小売さんが得意な領域ですが、日本のお客様に受け入れられてきたことと、海外のお客様に受け入れられることは異なるため、注意すべきです。
越境ECをサポートするさまざまなツールやサービスがありますので、これらを利用して、まずは始めてほしいですね。お客様に向き合って、どのように伝えれば、自社商品の良さを理解してもらえるのかという点に注力することが大切です。
越境ECのハードルを下げるサポート
――貴社は「海外販売のハードルを国内配送レベルまで下げる」というコンセプトの下、サービスを提供していますが、どのような内容ですか?
岩本:さまざまなサービスやソリューションを開発し、提供しています。特に、海外のお客様が日本の商品を購入できる状態の創出を主眼に置いています。
決済や物流、カスタマーサポートをはじめ、各国・地域の法令順守など、ECで売るための環境整備やオペレーション体制を構築しています。それらを日本の通販会社さんに活用していただくことを基盤としています。
主力事業に、「Buyee」という代理購入を行うプラットフォームがあります。それを日本の通販会社さんに使っていただけるように、「Buyee」と接続するためのツール「Buyee Connect」を無償で提供しています。これによって、まずは越境ECを行える状態にしていただきます。
――越境ECのハードルを下げるために、どのような取り組みを行っていますか?
岩本:その前提として、当社が蓄積してきた越境ECで必要な体制や法務・税務に関する基盤を使用していただくことがあります。
例えば「Buyee」の場合、日本の通販会社さんが国内で販売している商品を当社が海外のお客様に代わって購入します。このため、日本の通販会社さんは、決済や物流などで頭を悩ます必要は一切ありません。
海外の言語でお問い合わせが寄せられたとしても、「Buyee」が海外のお客様とやり取りを行います。また、国際情勢の変化で配送がストップする事態が発生した場合も、「Buyee」がお客様に説明したり、対応したりするため、通販会社さんは頭を痛めることがありません。
まさに、「とりあえずやってみるか」というスタンスで実施していただいています。通販会社さんには、海外のお客様が好む商品や相性の良い商品を見つけ出し、販売に注力していただく形となります。
――大手オンラインモールとの連携はどのようになっていますか?
岩本:国内有数のオンラインモールが「Buyee」に商品情報を連携していただいています。海外のお客様が「この商品を買いたい」という場合は、「Buyee」上の該当ページから注文していただきます。「Buyee」に対して注文が来ている状態となり、「Buyee」はオンラインモールの該当商品をお客様の代理で買いに行くという形です。
例えば、「楽天市場」で売られているコップを買いに来た海外のお客様が「Buyee」で注文すると、コップは「楽天市場」で売られているので、「Buyee」が代わりに買いに行くことになります。通販会社さんとしては、購入された商品を日本の住所であるBuyeeの国内倉庫にお送りするだけなので特別なオペレーションは必要ありません。
無償の「Buyee Connect」を埋め込むだけ
――貴社のサービスを利用している通販会社さんの状況をお聞かせください。
岩本:日本の通販会社さんのサイトを訪れるお客様のほとんどは日本人ですが、海外のお客様も訪問できます。最近は通販会社さんが発信したSNSで、海外のお客様が商品に関心を持つこともあります。しかし、商品を購入できていないというのが現状です。
これに対し、販売サイトに「Buyee Connect」のタグを埋め込んでおけば、SNSを経由して販売サイトの情報を見た海外のお客様は、自国にも配送が可能とわかり、購入に結びつきます。
日本の通販会社さんが意図していなくても、海外のお客様がアクセスしたり、日本のお客様向けに発信したSNS が海外のお客様にも評価されたりすることがあります。自社サイトに「Buyee Connect」を入れるだけで、海外のお客様が購入できる状態となります。この点が、ご利用いただいている日本の通販会社さんにとって大きなメリットとなっています。
特にSNSを通じて海外とつながりのあるブランドや、海外の需要が大きいジャンルの商品については、海外のお客様も必死に探しています。このため、購入できる環境を作っていただけると、海外のお客様がたくさん購入するという動きが出てきます。これまでに、そうした成功例は多数に上ります。
越境ECにチャレンジしない理由はない
――今後の越境EC市場の動向をどのように予想していますか?
岩本:市場は引き続き伸びるでしょう。越境ECを利用する海外のお客様も、どんどん増えてくると思います。これに加えて、経済成長を続けている国では、日本の商品を購入するお客様が増加すると予想されます。
今、海外のブランドや企業では、当然のように越境ECを行っています。越境ECで、いかにお客様にとって良い環境を作るか、優れたユーザー体験を提供できるか、という点で試行錯誤しているケースが多いですね。
日本国内に目を向けると、これまでは「とりあえずリスクがない方法で」という動きが先行していましたが、最近は、海外のお客様が買いやすい状態を作りたいという意識が強まっていると感じています。国内の越境ECの取り組みは、次のフェーズに移ろうとしているようです。
――これからグローバル商圏へチャレンジする通販会社さんや、チャレンジ中の通販会社さんへアドバイスをお願いします。
岩本:国・地域によって配送や販売ができない商品もありますが、そうでない限り、越境ECにチャレンジしない理由は特にないと思います。
売上の伸び代については、越境ECを行わない場合はずっとゼロのままですが、チャレンジして少しでも伸び代を感じるのであれば、そこから改善していくことになります。早期に踏み出すことが、最初のステップとなります。まずはスタートラインに立つことが、もっとも大事だと思います。
開始後に課題も出てくると思いますが、改善に向けて当社はサポートが可能ですので、ご相談いただけるとうれしいです。
――ありがとうございました。
■関連資料
世界のファンを味方にするブランド体験「Buyee for マーケティング」ご紹介
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