2024.08.08 事件・トラブル
小林製薬、紅麹事業からの撤退を決定…報告の遅れは「想像力を欠いていたことが真の原因」
紅麹問題で小林製薬は8月8日、第2四半期決算の説明会を開催し、前社長の小林章浩取締役や山根聡社長らが原因究明の状況、被害者への補償の在り方などについて説明した。行政への報告が遅れた原因について、山根社長は「想像力が欠けていた」ことを挙げた。また、この日の取締役で、紅麹事業からの撤退を決定したことを明らかにした。
<山根聡社長(左)と前社長の小林章浩取締役(オンライン)>
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紅麹事業の「継続が許されるのか」
同社によると、8月8日時点で健康相談の問い合わせは延べ1万300件、入院は467件、通院が1819件。死亡関連の問い合わせは合計319件に上り、そのうち調査対象は107件で、完了したものが21件、継続中が32件など。
最初の症例を把握してから行政への報告に約2カ月かかったことについて、山根社長は「原因究明に傾注してしまい、目の前で起こっている事態がどういう結果をもたらすのか、その想像力を欠いたことが真の原因」との見解を示した。「安全・品質という意識の感度を高め、どういう影響を与えるのかという想像力が足りなかった。創業者中心の同族性ということも、想像力を欠いた原因になったと思う」と述べた。
紅麹事業(関連製品の製造・販売)の撤退については、「今の状況を見ると、紅麹事業を継続することが許されるのか、我々にその力があるのか。冷静に考えたときに、決断しなければならないと思った」と説明した。
今後の取り組みとして、被害者への補償、品質・安全確認と再発防止、企業理念・風土の見直し、経営体制の抜本改革、従業員との対話を重視する方針を示した。コーポレートガバナンスについては、執行役員会と取締会との連携強化、品質・安全を最優先する組織への再編などを挙げた。
前社長・小林氏、「紅麹はほかのものとは違う注意を要する」
前社長で補償担当の小林氏は、「紅麹は我々の製品のなかでは天然物であり、ほかの製品とは違う注意を要する生産設備であった。このリスクについてもっと感度を高めて、人員体制や教育、設備の強化などが不十分であったかもしれない」と振り返った。
被害者の補償を進めるため、専任組織の補償対応本部を立ち上げて対応中と説明した。補償の対象製品は、3月27日付で大阪市が回収命令を出した製品のうち、プベルル酸を含有することが確認された(または可能性のある)製品。今月19日から受け付けを開始する。医療費と交通費は随時支払い、慰謝料や休業補償などについては補償内容への同意後に支払う。
(木村 祐作)
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