2024.05.07 行政情報
公益通報者保護制度の見直しへ初会合、年末めどに報告書を策定…消費者庁
勤務先企業の不正を通報した就労者を保護する公益通報者保護制度が抱える課題に対応するため、消費者庁は5月7日、「公益通報者保護制度検討会」の初会合を開催し、検討を開始した。9月ごろに中間整理を行い、年末をめどに報告書を取りまとめる。
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就労者への周知や通報窓口の活用は不十分
同検討会は、学識経験者、産業界や消費者団体の関係者など11人で構成。座長に山本隆司氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)、座長代理には柿﨑環氏(明治大学法学部教授)が就いた。
月に1回程度のペースで開催し、公益通報者保護制度を取り巻く環境の変化、公益通報者保護法改正後の施行状況を踏まえ、同制度の課題と対応策を検討する。
同法は2006年4月に施行。勤務先の不正行為を通報した労働者を保護する条件などを定めている。2020年の改正により、事業者に対して体制整備の義務づけや、通報者の範囲を拡大。一定期間が経過したことから、昨今の同制度をめぐる課題への対策を検討する。
自見消費者担当大臣は、事業者による就労者への周知が徹底されていないことや、通報窓口の活用が不十分といった課題を指摘。「制度の実効性は道半ばと受け止めている。法改正以降の企業の内部通報制度の導入状況や運用、昨今の企業不祥事や実態調査の結果を踏まえ、公益通報者保護制度の課題と対応について活発な議論を行ってほしい」と述べた。
通報窓口の活用は限定的
消費者庁が行った就労者1万人を対象としたアンケートの結果によると、同制度を理解していない人は、従業員数「300人超1000人以下」で57.6%、「5000人超」では47.7%に上った。勤務先の通報窓口について未設置または認知していないとの回答も、「300人超1000人以下」で65.4%、「5000人超」では45.7%を占めた。
実際に相談・通報した人の69.5%が「良かった」、17.2%が「後悔している」と回答。後悔している理由は、「調査や是正が行われなかった」が最も多く、「不利益な取り扱いを受けた」が続いた。
また、非上場事業者を対象としたアンケートの結果によると、従業員数300人超の事業者の92%が制度を「導入している」と回答し、2016年度の前回調査時から10%ポイント増加。300人以下の事業者でも47%が「導入している」とし、21%ポイント増加していた。
一方、通報窓口の活用状況を見ると、年間受付件数が「0件」「1~5件」「把握していない」と回答した事業者は全体の65%を占め、限定的な活用となっている状況がうかがえた。
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