2026.07.22 通販支援
EC業務のアウトソーシングで失敗しないコツとは?
EC事業者では、販路を拡大する際にリソース不足に直面する。スタッフを増やすべきか、それともアウトソーシングか。アウトソーシングする場合には、何をどこまで依頼するかといった悩みも。EC業務のアウトソーシングで失敗しない秘訣とは?EC業務全般を代行するスクロール360のECソリューション部部長・黒崎裕子氏と、同社にアウトソーシングを依頼した葉山社中の代表取締役・羽田和広氏に話を聞いた。
アウトソーシング先の選び方
――貴社のご紹介からお願いします。
黒崎裕子氏(以下、黒崎):スクロール360は、グループ会社が行っていた通販事業のインフラとノウハウを基に、EC事業者様に向けて、通販業務に関するサービスをアウトソーシングする形で提供しています。
羽田和広氏(以下、羽田):葉山社中は、低温調理専門ブランド「BONIQ」を展開する通販会社です。日本でいち早く低温調理器の販売を始め、シリーズ累計25万台以上の販売実績があります。現在も低温調理に関する各種商品をメインに取り扱っています。
――葉山社中さんが、通販業務をアウトソーシングしようと決意したきっかけは?
羽田:当初は「Amazon」と、Shopifyで構築した自社ECサイトで展開していました。媒体を増やせば売上が増えるという状態でした。「Yahoo!ショッピング」「楽天市場」にも広げたいと考えた際に、社員を増やすべきかどうかと悩みました。まずは他社の力を借りて、早めに立ち上げたいと思い、アウトソーシングすることを決めました。
スクロール360さんに、まず「Yahoo!ショッピング」の店舗の業務を依頼し、次に「楽天市場」、その流れで物流もお願いしたという経緯があります。最近では、データ処理もアウトソーシングしています。
――当時、葉山社中さんが直面していた状況について、スクロール360さんはどのように捉えていましたか?
黒崎:とても人気のある商品をお持ちだったのですが、当時、業務の大半を羽田社長が自ら対応していらしたため、販売チャネルを広げるのは困難かもしれないと感じていました。
――スクロール360さんに依頼した理由は?
羽田:当社が探していたのはコンサルティング会社ではなく、スタッフの一員のような形で一緒にECを運営していただける会社でした。このため、EC業務を丸投げできる代行会社を探していました。数社を検討したのですが、その中で、完全に丸投げができそうだと感じたのがスクロール360さんでした。
特に自社でもショップを運営していた点が、決め手の1つとなりました。比較検討したその他の代行会社では、自社でショップ運営を行っていないケースもあり、当社が重視していた「現場で培われた運用の精度」とは距離があると感じました。
黒崎:その話は今初めて聞きました。当社は自ら通販を手がけているので、自分たちの経験を提供できることは強みの1つだと思います。
これに加え、丸投げが可能なことも特長です。サイト運営だけでなく、物流、コンタクトセンター業務、受注データの処理など、ECに必要な業務全般をお受けできることも強みです。
スクロール360 ECソリューション部部長 黒崎 裕子 氏
アウトソーシングしただけでは上手く行かない
――アウトソーシングして得られた成果をお聞かせください。
羽田:当初の目的であった販売チャネルの増加によって、売上拡大につながりました。具体的には、直近1年間で「Yahoo!ショッピング」が約3600万円、「楽天市場」が約1億円の売上となりました。
社員を増やすという経営上のリスクを回避できたことも大きかったですね。また、当社は無駄を省く観点から、オフィスを構えずに、自宅などの働きやすい環境で仕事をするというスタイルを採用していますが、これを維持できた点もよかったと思います。
アウトソーシングによって、売上拡大や経営リスクの回避、時間の節約を実現できましたが、人材マネジメントに左右されない経営が可能となった点が、最も大きかったですね。
――アウトソーシングが功を奏した要因は?
羽田:そうですね。当社で商品のマーケティングが上手く行っていれば、アウトソーシングも必然的に上手く行くと考えています。一方、マーケティングが不十分で、アウトソーシング先に何とかしてもらおうとすると、厳しいのではないかと。
だからこそ、当社はマーケティングを重視し、その結果として、アウトソーシングした部分も順調に進んでいるのではないでしょうか。
黒崎:上手く行った要因の1つは、当社だけでは判断できない部分について、羽田社長が迅速に対応していただいていることだと考えています。
例えば、定期的に当社の倉庫まで商品をチェックしに来ていただいたり、こちらからの問い合わせに迅速に回答していただいたりと、我々の取り組みをしっかり支えてくださることで、当社が上手く機能できていると感じています。
ほかにも、葉山社中さんとの取り組みで重要だと思っているポイントがあります。現在はほとんどの業務を丸投げしていただいているのですが、先ほど羽田社長がおっしゃったように、全部を同時期に丸投げされたわけではなく、段階的にアウトソーシングさせていただく範囲を増やしていきました。
“まるっと引き受ける”というと、最初からすべて丸投げしなければならないと思われるEC事業者様もいらっしゃるのですが、そうではなく、順序立てて、必要なタイミングで広げていくことも成功の秘訣と考えています。
羽田:そうですよね。アウトソーシングについては導入にも撤退にもエネルギーが必要なため、一気にすべてを行うと、当然ながら経営リスクも一気に拡大します。だから、順序を踏まえて進めることが大切となります。
また、会社同士・担当者同士の相性もありますので、様子を見ながら進めることも失敗しないためのポイントと言えるでしょう。
必要なのはコンサルタント?実務者?
――今後の展望をお聞かせください。
羽田:引き続き、低温調理器具を広めていきたいですね。それによって、ユーザー様が食習慣を見直すきっかけとなり、健康維持に役立てていただければと願っています。
健康を支える基本の一つが日々の食事です。低温調理器を活用すると、肉や魚をおいしく調理でき、良質なタンパク質を日々の食事に取り入れやすくなります。低温調理器の販売を通じて、そのような食習慣を広げていくことに貢献できればと思っています。
――EC事業者様に向けてメッセージがあればお願いします。
羽田:「あれもやらねば、これもやらねば…」と考えて業務を拡大しようとすると、リソースが不足してしまいます。それよりも、まずは自社のメッセージを磨いて、商品を用意し、世の中に届けることが重要です。それが、売上を伸ばす土台になります。
その次に、販路拡大などに挑戦する際は、実務面の多くをアウトソーシングで補えます。自社が本当に担うべきことは何かを考え、役割を切り分けることが大切です。
外注する際には、戦略を考える役割と、実務を動かす役割を切り分けて検討する必要があります。当社では、ブランドやマーケティングの意思決定は自社で担い、販売運営や物流、受注処理などの実務は専門パートナーに任せています。
もう1つ、AIの活用も重要だと感じています。当社では、企画や分析、デザインなどの一部をAIで内製化できるようになりました。一方で、物流や受注処理、顧客対応など、現場を継続して動かす実務には、専門パートナーの力が欠かせません。
経営陣が先頭に立ってAIを理解し、AIとアウトソーシングを適材適所で組み合わせることが、これからのEC経営では重要だと考えています。
葉山社中 代表取締役 羽田 和広 氏
――スクロール360さんの今後の展望は?
黒崎:EC業務代行部門の立場からお話しますと、もっと多くのEC事業者様のお悩みをサポートできればと思います。羽田社長がご指摘されましたが、当社は実務を行うため、これまでに蓄積してきた経験も含めて、実務でお返しできる形でお役に立てると考えています。また、EC業務代行をきっかけに、我々のサービスを物流や受注処理など、スクロール360すべてのサービスにつなげていきたいですね。
アウトソーシングはある意味で“結婚”みたいなもので、相性もあると思いますので、まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。
――本日はありがとうございました。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
資料DLランキング
-
1
今注目のライブコマースで変わるこれからのEC
-
2
【無料公開】食品EC「カオスマップ」2025 – 食品EC業界の最新動向
-
3
SHOPLINEがあなたのブランドを世界へ! 越境EC成功の鍵とは
-
4
ペット×ECの未来を拓く!導入事例あり!
-
5
東南アジア最大のECプラットフォーム Shopeeのサービス概要
ニュースランキング
-
1
「Qoo10」、ビューティーアワード上半期 総合1位に「RX ザ・アルファアルブチンセラム」
-
2
【7月22日10時更新:物流配送状況】日本郵便/ヤマト運輸/佐川急便/西濃運輸/福山通運
-
3
テレ朝、テレビ番組視聴でポイント・クーポンがもらえるサービス開始
-
4
警察庁、家庭用IoT機器を悪用したサイバー攻撃 不正送金で29億円の被害
-
5
6月に観賞魚用製品など14件削除…製品安全誓約
