2024.03.12 行政情報
通販会社が知っておきたい「ナンバーワン表示」の留意点とは?…異例の“短期集中”景表法違反事件を振り返る(後編)
ナンバーワン表示で景品表示法に違反しないためには、公正取引委員会の「No.1表示に関する実態調査報告書」、消費者庁の「比較広告に関する景品表示法上の考え方(比較広告ガイドライン)」や「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」を十分に理解することが重要となる。
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通販限定なのに「お客様満足度○○部門No.1」はNG
公取の「No.1表示に関する実態調査報告書」では、客観的な調査を実施していても、表示内容と調査結果の間に乖離がある場合には、景表法上の問題が生じると説明している。
特に商品の範囲、地理的な範囲、調査期間などについて、事実と異なる表示をしたり、明瞭に表示しなかったりした場合には、景表法違反に問われる恐れがある。
例を挙げれば、化粧品の広告で「お客様満足度○○部門No.1」と表示していたが、化粧品全体の〇〇部門の調査ではなく、通信販売に限定した調査に基づく場合などが該当する。
また、調査条件などが明瞭に表示されていないことにより、実際よりも優良と誤認させるようなケースも問題となる。小さな文字で見にくい場合や、ナンバーワン表示と離れたところに記載されている場合などが該当する。
「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」では、「№1表示の根拠となる具体的な調査条件や出典などが明瞭に記載されておらず、一般消費者に実際のものよりも著しく優良または有利なものと誤認させる表示をする場合には、虚偽誇大表示等に該当する恐れがある」と説明している。
通販企業が注意すべき点とは?
景表法に違反しないためには、依頼した調査が「客観的な調査」かどうか、広告で調査結果を「適正に引用」しているかどうかの2つの要件をクリアすることが大原則となる。
一般的にナンバーワン表示の発注は、広告主(通販会社)→広告代理店などの仲介事業者→リサーチ会社の流れで行われることが多い。通販会社にとっては、広告代理店なども含め、イメージ調査でない客観的な調査を依頼する旨を明確に伝えることが重要となる。
次に、広告にナンバーワン表示を掲載する場合に、具体的な調査条件や出典を明瞭に記載することにも注意しなければならない。
過去の景表法違反事件で、広告主とリサーチ会社の間に入る広告代理店やマーケティング会社が、不正操作によってナンバーワンに仕上げていた事例もある。広告主にとっては、広告代理店などの仲介事業者に調査結果をそのまま報告させることも必須となる。
“ナンバーワンありき”の調査は依頼しないこと
2月下旬から3月上旬にかけて行われた一連の行政処分では、客観的な調査ではなく、イメージ調査に基づいてナンバーワンと表示していたことが問題となったが、気がかりな点はほかにもある。
例えば、大手デジタルショッピングモールで「〇月〇日〇時時点で販売数№1」といった“最大瞬間風速”のようなナンバーワン表示も見受けられる。また、サプリメントの広告では、市場規模が小さい特定の成分に限定して「〇〇配合サプリ 顧客満足度№1」という表示も散見される。
これらは、“ナンバーワンありき”の調査とみられる。「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」が改正された当時、消費者庁では「広告主が依頼すれば、データを加工し、対象者や期間を限定して、ナンバーワンに導き出す請負業者がいる」と話していたが、今後の取り締まりの動向が注目される。
(了)
(木村 祐作)
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