2023.01.05 ECモール
新経連・三木谷代表理事、年頭所感で「官頼みの経済から民主導の経済へ」
IT関連企業などでつくる(一社)新経済連盟(代表理事=三木谷浩史・楽天グループ〈株〉代表取締役会長兼社長〉は1日、年頭所感を発表した。活動開始10周年が過ぎ、「経済団体のスタートアップ」に求められる役割は拡大しているとし、2023年も日本経済の成長に支障となっている旧弊を打ち破り、さらに飛躍できるような1年にしたいと決意を披露した。

ジャパン・トランスフォーメーションを提唱
新経連が取り扱う政策テーマは、デジタル政策を軸としながら、カーボンニュートラルや経済安全保障など多岐にわたる。「日本の将来を見据え、あるべき政策が取られているか」という観点から、積極的に政府に対して意見を提出している。
専門の日本経済は、依然として停滞状況が続いている。足元は設備投資の回復の遅れなど、内需の弱さが際立つ。国際商品価格の上昇や円安から輸入物価が上昇し、コストプッシュ型のインフレが経済回復の足かせとなっている。また、団塊世代が75歳以上となる25年があと2年に迫っており、少子高齢化がさらに深刻化し、働き手が減ることは明白だ。
三木谷代表理事は、「この厳しい環境の中で日本に必要なことは、『官頼みの経済から民主導の経済へ』と、経済構造を抜本的に変えることだ」と強調した。
経済構造の変革、さらには社会構造も含めて日本を根本的に変えていくことを、「JX」(ジャパン・トランスフォーメーション)と呼んでいる。JXの実現には、デジタルとグリーンを軸に新産業を育成し、『民でできることは民に』の原則の下、税金の引き下げを通じ、民が経済成長・社会課題解決に向けた投資を積極的に行えるよう、環境を整備することが必要だ」と訴える。
税率引き下げが経済活性化の基盤に
「バラマキ、すなわち非効率な公的支出の拡大は、一時的な需要を拡大できても持続的な成長に結びつかないのは、バブル崩壊後の日本経済が証明している。このバラマキによって多額の国債残高が積み上がったために金利は人為的に低いものとせざるを得ず、行き過ぎた円安を含め、経済の隅々までひずみをもたらしている」――。
経済にさまざまな悪影響を及ぼすバラマキを廃し、民主導の経済構造にするためにも、短期的には「税率引き下げ」「コロナからの正常化」、そして中長期的に日本経済の「生産性を抜本的に高めること」が急がれるとした。
「税率の引き下げは経済成長要因、すなわち国内投資の拡大や経済の活性化に向けた取り組みの基盤となるもの。逆に言えば、税率の引き下げがなければ、国内投資が拡大することはなく、高い経済成長を成し遂げることは困難」との考えから、「法人税率の引き下げは投資・消費増のほか、海外からの対内投資の促進にも寄与する」とした
阻害要因を取り除き、次のユニコーンを育成
また、中長期的に民主導の経済構造に変革していくためには、新経連が活動開始以来掲げてきた「イノベーション」「アントレプレナーシップ」「グローバリゼーション」の原点に立ち返り、「生産性を抜本的に高めること」が求められる。
具体的には、あらゆる産業や官公庁でのDX。起業家教育を抜本的に強化するとともに、スタートアップの成長に対する阻害要因を1つひとつ取り除き、次のユニコーンを育てること。さらに、移民の積極的受け入れは、外国人がもたらす多様性がイノベーションの源泉(新結合の促進)となるほか、人口減少への対応という面からも合理的だと主張している。
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