2026.09.10 通販会社
ファンゴが起こす「カスタムオーダーEC」の革命…ファン化の極意とは?
野球ユニフォームのカスタムオーダーECを展開するファンゴ。ウェブ上で完結させるオーダーメイドの課題をテクノアのデザインシミュレーターによって解消し、草野球チームから圧倒的な支持を得ている。深い顧客エンゲージメントを築き上げる“ファン化”の極意とは?ファンゴの代表取締役・山田哲子氏と、テクノアのi-DESIGNER事業責任者・山中恭太氏に話を聞いた。
「さぁ、楽しい野球のはじまりだ。」
――ファンゴ様は、なぜ野球ユニフォームのオーダーメイドを専門にされたのですか?
山田哲子氏(以下、山田):当社の経緯を正直に話しますと、最初から野球ユニフォーム専門を目指していたわけではありません。さまざまな分野に挑戦し、多方面に向けて努力を続けるなかで、いくつものご縁や偶然が重なり、その先に待っていたのが野球ユニフォームでした。
しかし、やればやるほど、野球のユニフォームづくりの奥深さにのめり込んでいきました。ほかのスポーツウェアと比べても、野球ユニフォームはパーツが多く、製作には細かな知識や技術が求められます。だからこそ、野球できちんとしたものを作れるようになれば、ほかの競技のウェアにも対応できるという確信が生まれました。
当社が目指しているのは、ユニフォームを通じて、チームが心から野球を楽しめるよう支えることです。「さぁ、楽しい野球のはじまりだ。」をブランドメッセージに掲げ、形・色・柄によって、そのチームらしさや、チームが目指す姿を表現しています。
チームウェアは、仲間みんなで同じものを着るものです。みんなで一つに決めたデザインの中に、自分たちの個性や目標を感じることで、一人ひとりの思いが一つになる。その一体感が、チームを長く続け、より強くしていく力となり、野球をもっと楽しいものにしてくれると考えています。
ファンゴ 代表取締役 山田 哲子 氏
顧客と作り手をつなぐデザインシミュレーター
――ECでオーダーメイドのユニフォームを手がける際に、注意していることは何ですか?
山田:お客様と対面しないため、ウェブ上の文字・画像のやり取りだけでデザインを伝えることは容易でなく、特にお客様のスマホやパソコンの画面によって色味が異なることに注意する必要があります。一番怖いのは、納品後に「思っていたイメージと違う」とがっかりさせてしまうことです。
また、お客様には「リーズナブルに購入したい」「もっと自由にデザインを決めたい」といったお声がありますので、これに応えることも重要です。
こうしたご要望に応えながら、対面することなく、お客様と正確にイメージを共有するために導入したのが、テクノアさんのデザインシミュレーター「i-DESIGNER」です。
デザインシミュレーターがなかった時代は、カタログを見ながらデザインを検討する方法が中心でした。お客様の中には、さまざまなデザインを研究されるうちに、何が好きなのか、どのようなユニフォームを着たいのか、かえって分からなくなってしまう方もいらっしゃいます。
さらに、チームウェアは一人で決めるものではありません。メンバー同士で好みや意見が分かれることも少なくありません。頭の中にあるイメージや微妙なニュアンスを言葉だけで正確に共有するには、受け取る側にも経験と技術が必要です。わずかなニュアンスの違いから、お客様とデザイナーのイメージにずれが生じることもあります。
一人のデザイナーが一つのチームに付き添い、この整理をすべて行おうとすると、何度もデザイン案を行き来させることになります。やり取りが長引けば、双方が疲れてしまい、最後には「もうこれでいい」と妥協した選択になりかねません。
シミュレーターでは、チームの皆さん自身がさまざまなデザインを比較し、色や柄を足したり引いたりしながら試すことができます。その過程で選択肢が少しずつ絞られ、「自分たちが本当に着たいのはこれだ」という軸が自然に見えてきます。最初は一つに決められなかったものが、試しているうちに、自分たちの好みとして定まっていく。そこに大きな価値があると思っています。
お客様が作成した複数のパターンをご提示いただくと、当社では、シミュレーターで作成したデザインをそのまま製作用の完成データにするわけではありません。シミュレーターだけでは表現できないモチーフや、そのチームらしさ、細部へのこだわりについては、当社のデザイナーが人の手を加えて仕上げています。
どうしても加えたいモチーフや、チームならではの味わいは、人の感性が加わることで初めて表現できる部分です。「この部分を少しアレンジすると、さらに理想に近づきますよ」という一歩踏み込んだご提案も行い、シミュレーターの自由さとデザイナーの感性を組み合わせて、一着を完成させています。
――貴社のインスタグラムを見ると、シンプルなデザインから、あっと驚くようなデザインまでありますね。
山田:デザインシミュレーターに搭載されているデザインの元データは、すべて当社のデザイナーが制作したものです。「ファンゴならこんなに自由でおもしろいデザインができる」という強烈なアピールポイントになっています。
さらに、定番デザインに収まりがちな野球ユニフォームのイメージを打破し、いつ見ても新鮮な選択肢を楽しんでいただけるよう、デザインを定期的に追加・入れ替えています。
山中恭太氏(以下、山中):テクノアではさまざまな企業様にデザインシミュレーターを提供していますが、ファンゴ様のデザインは他社にはないインパクトというか、言葉通りの『突破力』がありますね。
例えば、私はインクが弾けたようなストリートアート風のデザインが大好きなんです(笑)。『こんな大胆な柄もユニフォームにできるの!?』と驚いて楽しくなります。思わず目が離せなくなるようなおもしろさがあって、それがお客様の問い合わせや購入への心理的ハードルをぐっと下げてくれているのだと思います。
Instagram引用
https://www.instagram.com/p/DKmG6y5tLrq/
テクノア i-DESIGNER事業責任者 山中 恭太 氏
「できないこと」もはっきり伝える
――ファンゴ様のお客様は、どのような層が多いですか?
山田:草野球が約7割を占めています。少年野球や学生野球が2割ほど。残りの1割は、結婚式の2次会用のペアユニフォームや還暦祝いの真っ赤なオリジナルユニフォームなど、1着だけ作りたいという需要です。
このような多様なお客様に、長年にわたって当社の製品を愛用していただき、さらにリピーターになっていただくケースも多いですね。
――リピーターを増やす秘訣は何でしょうか?
山田:当社が徹底していることは、「できること」と「できないこと」をはっきりとお伝えする潔さです。対面ではないからこそ、誤解のないように正直にお伝えすることが大切です。
そして、単に「できません」と突き放すのではなく、「こう変えれば実現できますよ」という代替案を提示するようにしています。そうすることで、一緒にデザインを作り上げるという安心感を持っていただけます。私たちもチームの一員になったつもりで、お客様の思いに寄り添うように心がけています。
一つひとつのご依頼に誠実に向き合って築いた信頼が、次のご注文やご紹介へとつながり、チームからチームへ口コミが広がっていく。これが、ファンゴのファンが増えていく大きな原動力になっています。
――「チームが強くなり、長く続くこと」を願う経営をモットーにしているそうですね。
山田:意外かもしれませんが、当社では、草野球チーム向けの対戦相手マッチングアプリ「B-Link」を無料で提供しています。
ユニフォームメーカーがなぜアプリを開発したのかというと、お客様から「試合相手が見つからず、チームが存続できなくなった」という話を聞いたことがきっかけでした。
草野球チームは高い熱量を持って結成され、ユニフォームをそろえて活動を始めますが、対戦相手を探すことは容易でありません。結局、いつも同じ相手と試合をすることになり、だんだんとマンネリ化してメンバーが1人減り2人減り、最終的に空中分解するケースもあります。
せっかくユニフォームを作っていただいたのに、着る機会がなくなるのは本当に寂しいことですよね。もちろん、野球をする人が減れば、ユニフォームも売れなくなります。そこで、「着ていただける場所を当社が作ればいい」という発想の下で開発したのが「B-Link」です。
キャップやアウターなどへ横展開
――ユニークな取り組みをされていますが、テクノア様はどのような印象をお持ちですか?
山中:ファンゴ様は全力で仕事を楽しみながらも、ビジネスとしてもしっかり結果を出し続けていらっしゃいますね。
最初は一部のアイテムからスタートしたデザインシミュレーターですが、今ではキャップやアウター、アクセサリーへと着実に広がっています。シミュレーターが売上にしっかり貢献できているからこそ、こうして幅広い商品へ横展開していただけているのだと思います。私どもとしても本当にうれしいですね。
社内の雰囲気も素晴らしいんです。以前オフィスにお邪魔した際、「他のデザインも見たいです」とお伝えしたら、山田社長のひと声でスタッフの皆さんが「私はこの柄が好き!」「これもお気に入りです」と楽しそうに集まって見せてくださって。あのように『仕事を楽しみながら結果も出す』姿勢が、社内全体に根付いているんだなと実感しました。
――今後の予定をお聞かせください。
山田:今期については、マーケティング手法を広げる予定です。少年野球の各リーグに協賛させていただくことが増えていて、そのなかで認知を広げていきたいと考えています。また、映画にも当社のユニフォームが登場しますので、ターゲットの枠も広げていきたいですね。
そうして新しい層へ展開していく上でも、テクノアさんの柔軟な対応にはとても助けられています。
うちのシミュレーターはカスタマイズの自由度が高い分、「これって実現できるのかな」と思うような相談も多いのですが、いつも「こうすればできますよ」とスピーディーに答えを出してもらってます。こだわりを形にできる安心感がありますし、今後の展開に向けても非常に心強いです。
山中:少年野球へのご協賛や映画への衣装提供など、これまでの枠を超えてどんどん新しいターゲットへアプローチされていますよね。そうした挑戦的な姿には、私どもも本当に刺激を受けています。
ファンゴ様のように「まずは使ってみよう」と、新しい手法やツールを柔軟に採り入れていく。この姿勢があるからこその展開だと思いますし、そうしたアプローチが成功するよう、まずは私たちが全力でサポートさせていただきます。
今後はAIの進化をはじめ、EC業界もより激しく変化していくはずです。だからこそテクノアとしては最新のIT技術を絶えず探求し、お客様の「挑戦したい」という気持ちに技術で応え続けられる存在でありたいと考えています。これからもファンゴ様のような挑戦者とともに、新しい価値と未来を作っていければ幸いです。
――ありがとうございました。
【関連リンク】
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野球ユニフォーム オーダー製作の「ファンゴ」:https://fungobaseball.com/
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