2022.05.06 行政情報
経産省が「ファッションの未来に関する報告書」公表
ファッション領域の世界的変化の兆候を捉えながら、日本の強みを生かし、描く未来を多角的に考えた『ファッションの未来に関する報告書』を、経済産業省がとりまとめ、このほど公表した。同省は、人口減少や社会のデジタル化が進む日本の海外需要獲得戦略の中でも、ファッションは最重要領域の1つと位置付け、さまざまな経済産業的意義があると強調している。

リセール市場の活性化・デジタルやバイオ技術の活用など、ファッションの「未来」を展望
デザインやアート、ラグジュアリー、素材などとともに、デジタルやバイオ、経営、投資、教育など、ジャンルや世代を超えた広範な分野の専門家による「これからのファッションを考える会~ファッション未来研究会」を発足させ、2021年11月から議論を重ねてきた。
同省によると、ファッション業界を取り巻く環境は近年、さまざまな変化が生じている。例えば、消費の多様化や気候変動などの社会課題に声をあげる消費者層の台頭、デジタル領域をはじめとする自己表現の場の拡大(デジタルファッション)などだ。そうした状況に対し、新しいサービスモデルの出現やリセール市場の活性化、デジタル技術を活用した新たな市場の創造、バイオ技術の活用など、国内外でファッションの「未来」の兆しが出てきている。
日本がファッションの「未来」づくりをリードへ、最重要事項「10のキーワード」とは?
こうした変化の兆候を捉え、日本が有する芸術文化や伝統工芸、繊維産地のポテンシャル、デジタル技術やバイオ技術を活用して、日本がファッションの「未来」づくりをリードし、ファッション領域を通じた持続的な価値創造をめざそうと、研究会の議論の結果をまとめた。
ファッションは衣服にとどまらず、独自の文化や食・住・学・遊を含めた時代ごとの価値観、創造性を表す媒体ともいえる――。報告書は、そんな観点から「人と自然に調和的なファッション」「テクノロジーで変わるファッション」「新たな価値を生み出すファッション」など、望ましいと考えられるファッションの未来を描くための重要事項を「10のキーワード」として集約した。
「需給ギャップを縮小させるビジネスモデル」「良いモノを長く楽しむファッション文化」「循環システムの構築」「質量のないデジタルファッション」「創造性の発揮を支援するテクノロジーの台頭」「創造社会の新しい市場ルール」「ラグジュアリー概念のアップデート」「これからの海外需要獲得」「ビジネスで留意すべきファッションロー」「未来に求められる人材論」――。
日本の経済産業にとって3つの重要な示唆について解説
同省は、「これらは日本の経済産業にとって3つの重要な示唆がある」とし、「消費頻度を抑制しても、稼げる産業へと転換する必要性」「デジタルファッション市場の拡大を成長機会につなげること」「突き抜けた個性と、日本の地域の強みを掛け合わせること」を挙げている。
報告書は、新しい価値の源泉として「独自の創造性を有する人の個性」「各国・地域で積み重ねてきた伝統」「人と自然との調和・利他性」を挙げている。同省は、こうした重要な視点を踏まえ、「報告書はファッションの望ましい未来に向かうための地図。時代の変化に合わせたアップデートし続けていくことが求められる」としている。
経済産業省はファッション産業への支援策として、「協同・協業販路拡大」「事業再構築」「イベント産業推進」「コンテンツ海外展開促進・基盤強化」「デジタルツールを活用した海外需要拡大」「JAPANブランド育成」などの取り組みへの補助金制度などを設けている。
■ファッションの未来に関する報告書 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/fashion_future/pdf/20220428_1.pdf
■ファッションの未来に関する報告書(縦読み版) https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/fashion_future/pdf/20220428_2.pdf
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