2022.03.14 調査・統計
規制強化→健全化で成長?21年アフィリエイト市場、8.4%増の3491億円に
(株)矢野経済研究所がこのほど明らかにした『アフィリエイト市場に関する調査』のまとめによると、2021年度の国内市場規模は前年度比8.4%増の3491億円を見込んだ。広告主のアフィリエイト広告出稿は例年通りに戻り、市場は堅調に成長。コロナ禍の長期化により、分野で明暗が分かれる傾向が顕著となった。

広告主の出稿が例年通りに回復
調査期間は21年11月~22年1月。アフィリエイトサービス事業者(ASP)、広告代理店、業界有識者から聴取した。それによると、21年度は前年度から予算を抑えていた広告主の出稿が例年通りの傾向に戻ってきて、主要ASP各社の業績も回復、成長する見込みだ。
ただ、コロナ禍の長期化で、旅行業やエステティックサロンなどの店舗来店型の一部分野で、引き続き業績低迷が続いている。一方、金融やオンライン特化型サービスなどの分野は大きく成長。また、ECの利用率はコロナ禍で引き続き上昇し、Amazonや楽天などECモールに店舗を持ちながら、自社サイトでもアフィリエイト広告を展開する事業者の業績が伸長した。
アフィリエイト広告に対する行政処分で悪質業者の撤退が本格化
21年度の注目トピックとしては、市場の健全化を図る取り組みの強化が挙げられる。消費者庁の本格的な是正への取り組みやアフィリエイト広告などに関する検討会の開催などにより、悪質なアフィリエイト広告の撤退が本格化している。
21年6月に規制違反のアフィリエイト広告に対する行政処分が実際に出されたことが背景となり、健康食品や化粧品、サプリメントなどの広告主がアフィリエイト広告を終了するケースや、提携サイトを一気にクローズドして一部のメディアのみでアフィリエイト広告を展開するようになった事例が増えている。
規制強化は広告主やASPにとって追い風に
こうした行政の取り組みには、ルールを守って展開している広告主やASPには追い風として認識されている。虚偽・誇大広告によって売り上げを伸ばしている競合他社が排除され、適正な予算でより多くの有力なアフィリエイターと提携するチャンスが得られるとともに、市場の健全化が進むことで、ルールを守っているASPや広告主にはビジネスを展開しやすい環境が整うため、中長期には市場成長のポジティブな要因になるとみている。
今後のアフィリエイト市場は10%前後の伸長率で推移し、22年度は3863億円、25年度には5146億円まで拡大すると予測している。
22年度以降はコロナ禍がある程度落ち着くことで、リベンジ消費が発生する可能性や、大手広告代理店がASP事業を始めるケースなどの新規市場参入、新興勢力のASP成長、広告主におけるアフィリエイト広告のニーズ拡大、EC市場の成長、モール型ASPの業績拡大などの要因から、アフィリエイト市場は引き続き成長する見通しを示した。
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