2021.12.21 調査・統計
ジュエリー小売事業者、コロナ禍前から13%減収…中堅企業の倒産も
(株)東京商工リサーチが20日発表した『ジュエリー小売事業者の業績動向調査』によると、調査した362社のうち、216社(59.6%)が前年同期比で減収となり、90社(24.8%)が最終損益で赤字を計上。合計の売上も、コロナ禍前から13.0%の減収となったことが分かった。

宝飾業界はコロナ禍が大打撃に
調査は、前々期年度(2018年7月~19年6月期)、前期年度(19年7月期~20年6月期)、最新期年度(20年7月期~21年6月期)の3期連続で、売上高と当期純利益が比較可能なジュエリー小売事業者362社を抽出し、分析した。宝飾業界はコロナ禍で大打撃だった。
362社の売上高合計は、コロナ禍前の前々期が2946億8800万円。コロナ禍による影響が徐々に拡大した前期は、2880億3200万円(前期比2.2%減)と微減にとどまっていた。しかし、最新期は店舗販売が低迷。2562億800万円(同11.0%減)と大幅に落ち込んだ。
前期との増減収を比較すると、前期は増収が82社(22.6%)、減収が174社(48.0%)、横ばいが106社(29.2%)だった。最新期は、増収が72社(19.8%)、減収が216社(59.6%)、横ばいが74社(20.4%)で、減収が10ポイント以上増加した。
EC販売に大きく舵を切りながら店頭販売での落ち込みを補完できず
20年秋はコロナ禍の第3波でクリスマスシーズンの需要が喪失。21年も年初以降の度重なる緊急事態宣言の発令で、百貨店・ファッションビルなどの時短営業が影響した。大手を中心に、小売業者もEC販売に大きく舵を切ったが、店頭販売での落ち込みを補い切れず、売上は前年を下回る企業が相次いだ。
ジュエリー小売業者の売上高は、前々期は売上高100億円以上が9社あったが、前期と最新期は8社。テナント出店施設の休業などが影響し、中堅企業でも売上を落とした。また、ブライダルジュエリー主力のブランドなどでは、前期比で1~2割減収の企業も散見された。
店舗撤退時の損失や原料の自社調達などが負担に
362社の売上高は、前期が174社、最新期でも216社が減収だったが、収益は堅調で、最終損益は前期が287社(79.2%)、最新期も272社(75.1%)が黒字を計上した。ただ、362社の最新期の利益合計は19億2600万円の赤字に転落。コロナ禍で迅速にコストダウンに舵を切った企業があった一方、店舗撤退時の損失や原料の自社調達が負担となった企業は赤字転落が散見され、損失額を押し上げた。
21年は外資系ブランドを中心に、中堅小売の経営破たんが目立った。2月にギリシャ発の時計・ アクセサリーブランド「Folli Follie」を展開していた(株)フォリフォリジャパンが破産開始決定を受けた。5月には、「AGATHA」ブランド商品の日本法人を運営していたアガタジャポン(株)が事業を停止し、経営破たんした。
10月になって緊急事態宣言などが解除され、高額商品の購入意欲に復調気配もみえる。日本百貨店協会のまとめによると、10月の全国の加盟百貨店の美術・宝飾・貴金属の売上は、前年同月比11.7%増と2ケタ増に転じた。年末商戦は佳境だが、ECサイトや通販サイトも市場を拡大しており、競合が激しさを増す中で顧客の争奪戦が注目される。
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