2021.10.26 調査・統計
国内段ボール市場、2年連続で減少…コロナ禍の経済活動停滞などで
(株)矢野経済研究所が25日発表した『国内の段ボール市場に関する調査』の結果によると、コロナ禍が需要を直撃し、2020年の段ボール生産量は2年連続で減少。21年でのコロナ禍前の水準回復は不透明な様相となっている。

コロナ禍の外出自粛による経済活動停滞で段ボールの需要減
調査は7~9月。段ボールメーカー、段ボール原紙メーカー、エンドユーザー、商社、代理店を対象に、需要分野別の動向や将来展望などを明らかにした。
全国段ボール工業組合連合会によると、20年の国内段ボール生産量は141億8735万㎡となった。段ボール需要は経済の動きと密接に関わっていることから、コロナ禍に伴った不要不急の外出自粛による経済活動の停滞は、段ボール需要にも大きな影響を及ぼした。
最大の需要分野である加工食品(飲料含む)向けでは、自動販売機向けやコンビニエンスストア向けの需要が激減。青果物も業務用の減少に加えて、局地的集中豪雨の影響も大きかった。電気器具・機械器具向けはサプライチェーンの分断により、自動車産業を中心に輸出が大幅減となった影響を受け、需要分野の中でも減少率が最も大きかった。薬品・洗剤・化粧品向けでは通院控えや服薬機会の減少、インバウンド需要の激減などが大きく響いた。
東南アジアの古紙輸入が停滞、グローバルで需要が高まり古紙が逼迫
コロナ禍の影響で紙・板紙の生産量が減少したことにより古紙の発生量が減少、これに米国市場の段ボール需要増や海上コンテナ不足などが相まって、東南アジアの古紙輸入が滞っている。その中で、EC市場の拡大により中国、東南アジアでの段ボール需要が拡大していることから、グローバルマーケットでは古紙の需給逼迫感が強まっている。
そのため、19年に急落した古紙輸出価格は、20年から21年にかけて上昇基調にある。今後も古紙の需給逼迫は続くものと見られ、そうした状況が、国内原紙市況の値上がりにつながる可能性も出てきている。
21年は回復基調に
21年は一部回復が遅れている分野もあるものの、総じて前年から回復基調で推移しており、通年でも前年を上回るものと見込まれる。だた、足元では8月中・下旬にかけての記録的豪雨による青果物への悪影響や、半導体不足による自動車産業の急ブレーキなどのマイナス要因が出てきている。コロナ禍の第6波も否定できず、日本経済は緩やかな回復ペースにとどまる可能性が高く、コロナ禍前の18、19年水準までの回復は不透明感な状況にある。
同研究所は、段ボール需要の本格的な回復期は22年と予測。その後は微増ペースで推移していくと考えられ、25年の段ボール生産量は20年比5.5%増の149億7000万㎡になると予測している。
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