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2024.08.29 行政情報

ナンバーワン表示に異変!? 新たな手法の台頭も

不適切な調査による「顧客満足度 第1位」といった悪質なナンバーワン表示が減少傾向に――そうしたことが、リサーチ業界内でささやかれている。今年2月から3月にかけて、消費者庁が集中的に実施した行政処分が功を奏したのだろうか。


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ナンバーワン表示は「減ってきた」「目立たなくなった」

消費者庁は2月下旬~3月上旬、悪質なナンバーワン表示を行った多数の事業者に対し、景品表示法に基づく措置命令を打った。対象となった商材も、太陽光発電システム機器、海外Wi-Fiレンタル、注文住宅、家庭用蓄電池など多岐にわたる。


2023年度中にナンバーワン表示で行政処分を受けた案件は9件・14事業者を数える。1つの広告手法について、短期間で多数の行政処分を行うのは異例。それだけ、悪質なナンバーワン表示が氾濫していたことになる。


特に問題となったのが、商品・サービスの利用経験を確認せずに、各社のウエブサイトを見て印象を聞くだけの「イメージ調査」と呼ばれる手法だ。


この状況を重く見た消費者庁は3月21日、ナンバーワン表示に関する実態把握調査を行うと発表。今秋に調査結果を公表し、一般消費者や関連事業者に向けて注意喚起する予定としている。


集中的な行政処分と調査開始は、関連業界に強烈なメッセージとして受け止められたとみられる。通販業界では「特に変化は確認されていない」の声がある一方、リサーチ業界の関係者は、「ナンバーワン表示は減ってきた」「目立たなくなった」と口をそろえる。


例えば、ある有名企業のテレビCMやチラシにはナンバーワン表示が大々的に使われていたが、今夏から見かけなくなった。この会社に使用を中止した理由を問い合わせたが、期限までに回答がなかった。


悪質なナンバーワン表示が目立たなくなってきた背景には、ナンバーワン表示を取りやめる事業者が出てきたことに加え、イメージ調査を請け負っていた主要なリサーチ機関が事業を撤退したこともある。


消費者庁や埼玉県が公表した行政処分の公表資料を見ると、イメージ調査を実施したリサーチ機関の名称が出てくる。いくつかのリサーチ機関が登場しているが、頻繁に出ていたあるリサーチ機関はすでに事業を撤退している。


景品表示法の規制は商品・サービスの供給者が対象となり、リサーチ機関を取り締まることは困難。そこで、公表資料を介して“警告”メッセージを出し続けたという見方もできそうだ。


激安の調査には落とし穴も

適切なイメージ調査は1件あたり100~150万円ほどの費用がかかるが、問題となったイメージ調査の場合、30~40万円ほどで請け負っていたとみられる。あるリサーチ会社の関係者は、「これまでに撤退したようなリサーチ会社では、激安価格で多数の依頼を受けていた」と話す。


また、大手・有力リサーチ会社で組織する日本マーケティング・リサーチ協会によると、「悪質なリサーチ会社の場合、調査のフォーマットが決まっていて、案件ごとに選択肢を変えるだけ」という。「まともなリサーチ会社ならば、イメージ調査を行うとしても、調査対象者を会場に集め、商品を見せてグループインタビューなどを行うはず」と指摘する。


広告主の通販会社にも、適切なナンバーワン表示を心がける事業者もいれば、そうでない事業者もいる。


日本通信販売協会(JADMA)では、会員企業に加え、アウトサイダーも含めて調査事業を実施し、各社に調査結果を送付している。その結果、「クリーンになったアウトサイダーもあるが、そのほとんどはリアクションがない」と頭を抱える。


瞬間風速型ナンバーワン表示、さらには新たな手法も

消費者を誤認させるナンバーワン表示は、イメージ調査によるものだけではない。大手ショッピングモールなどで〇月〇日〇時の時点で売上が1位になったことを根拠に、ナンバーワン表示を行うケースも多い。そうした瞬間風速型のナンバーワン表示は、キャンペーンやセールを実施した結果、ある時点で売上が急速に伸びたことを利用したものとみられる。


このほかにも、例えばサプリメントの広告で、「〇〇(成分名)サプリで売上1位」といった表示も散見される。これらは対象範囲を可能な限り狭めて、ナンバーワンになりやすくする手法といえる。


集中的な取り締まりなどによって、悪質なナンバーワン表示は目立たなくなりつつある。だが、それに代わって新たな手法が台頭している。


「専門医推奨98%」「管理栄養士推奨95%」といった表示だ。そうした文言と円グラフなどを一緒に表示しているものの、近接した場所に調査概要が記載されていないこともある。一方、詳細な調査内容を開示しているケースもある。


ある食品企業では、そうした表示を今年4月から開始。同社では「その根拠となる調査概要(調査機関や調査時期、対象、調査方式など)を記載するとともに、詳細情報が確認できるURLを記載し、お客様が必要な情報を得られるよう努めている」と説明している。


ナンバーワン表示も「〇〇推奨△△%」表示も、調査手法や調査結果の引用方法、表示方法によって、消費者に誤認を与える恐れがある。これらの表示を行う通販会社では、リサーチ会社の選定も含め、細心の注意を払うことが求められそうだ。


(木村 祐作)







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