2023.09.04 ECモール
新たな診断ツールに?ZOZOSUIT利用で中等症以上の「側弯症」検知に成功
(株)ZOZOと東京大学の研究チームは、同社の3D計測用ボディスーツZOZOSUITと、検証用に開発した専用スマートフォンアプリを用いて、主に若年世代の治療を要する可能性のある中等症以上の脊柱側弯症を検知することに成功したと発表した。研究結果は、米国の学術誌『Spine』(9月15日付)の掲載に先立ち、8月26日にオンライン版で公開された。

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感度95.3%で検知が可能
脊柱を正面や背部から見たときに左右への曲がり・ゆがみを呈しているものを脊柱側弯症といい、特に思春期に多く発症する原因不明のものを思春期特発性側弯症という。成長期に進行することが知られており、一度進行したカーブを手術以外の方法で改善させることは難しいため、適切な時期に発見して、装具療法などの必要な治療を開始する必要がある。自覚症状に乏しく、気づきにくいことから学校検診にも組み込まれているが、既存の検査法には、感度の問題や適切な時期に検知できないなど、さまざまな問題が指摘されてきた。
今回の新たな方法では、コブ角(側弯症の程度を表す角度の指標で、立位や座位のレントゲンで最も傾いている椎体〈脊椎骨〉同士のなす角で計測)25°以上の中等症以上の側弯症を感度95.3%で検知できることが明らかになった。この方法の応用で、将来的には、検査者なしに非侵襲的に自宅で繰り返し行うことができるセルフスクリーニングツールの開発につながることが期待される。
「新規診断ツール」開発に期待
被験者はZOZOSUITを装着した状態で1.5m離した位置に設置したスマホアプリの指示に従い、30°ずつ向きを変えて12枚の写真を撮影。写真からアプリ内で自動的に体表の3Dモデルが生成され、取得・再構成した各レベルの横断像から体幹のゆがみを示すZ値という固有値を定義し、検討を行った。側弯症症例54例と非側弯症47例で検討を行ったところ、中等症(コブ角25°以上)以上の側弯症症例では非側弯症群やコブ角25°未満の軽症群と比較して、有意にZ値が高値であることが判明した。
ZOZOと研究チームは、将来的には脊柱側弯症のセルフスクリーニングを行うことができる「新規診断ツール」の開発を期待。重症化するまで見逃されていた症例を、適切なタイミングで検知・医療機関に誘導できるようになるなど、患者はもちろん、医療経済的な観点からも大きなメリットと考えられるとしている。
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