2023.05.30 行政情報
電話勧誘販売の新規制が6月1日施行、通販のアップセルに影響も
改正特定商取引法に基づく書面交付の電子化と、同法の政令改正による電話勧誘販売の新たな規制が6月1日、施行される。電話勧誘販売の新たな規制は、通販のアップセル・クロスセル手法に大きく影響することから、通販各社には新ルールへの対応が求められる。

消費者庁の説明資料より抜粋
消費者庁の説明資料より抜粋
電子メールによる書面交付、画面が4.5インチ以上のスマホも対象
特商法は、訪問販売や電話勧誘販売など3業態について「申し込み書面」の交付、6業態について「契約書面」の交付も併せて義務づけている。従来は紙の書面による交付が必須だったが、6月1日以降は電子メールなどによる交付も可能となる。
電子メールなどで交付する場合、事業者は消費者に事前説明した上で、承諾が必要となる。承諾手続きに不備があれば、書面を交付したとみなされず、法違反により罰則が科せられる。
対象となる消費者は、4.5インチ以上の画面のスマートフォンやパソコンを日常的に使用し、一定の操作が可能な人。また承諾の際には、「チェックボックス」にチェックを入れるだけ、「ボタン」を押すだけといった、必要事項の記入を求めない方法を禁止している。
電子化した書面は、明瞭に読めることが求められる。印刷後に8ポイントを下回る小さな文字、背景が赤色の画面に赤字で表示、極端に大きな文字で表示――などは、明瞭に読むことができないとみなされる。
消費者庁の説明資料より抜粋
電話注文時のアップセル・クロスセル、シリーズ商品や類似商品も原則NG
電話勧誘販売の新たな規制もスタートする。特商法の政令改正により、「電話をかけさせる方法」として、従来の電話・郵便・信書便・電報・ファックスなどのほか、新たに新聞・雑誌、テレビ・ラジオ、ウェブページなどを追加した。
6月1日以降は、新聞・雑誌の広告やテレビ・ラジオの放送番組、ウェブサイト上の表示を見た消費者が電話で注文した際に、広告に掲載されていない商品・サービスを勧めると、電話勧誘販売に該当する。
その場合、事業者には申し込み書面と契約書面の交付、再勧誘の禁止などが義務づけられ、消費者はクーリング・オフを行使できる。
原則、広告に掲載されている商品・サービスについては、電話注文時に案内しても電話勧誘販売とみなされない。
一方、広告に掲載されていない商品・サービスを案内すると、不意打ち性があると判断され、電話勧誘販売となる。消費者庁の担当課によると、シリーズ商品や類似商品の勧誘も例外ではなく、売り切れた場合に代替品を案内することも電話勧誘販売に該当し得るという。注文商品の定期コースを案内した場合も同様だ。
これまで通販企業が行ってきた電話注文時のアップセル・クロスセルの多くは、6月1日以降、電話勧誘販売とみなさることから、通販各社では新ルールに則った対応が求められる。
(木村 祐作)
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