(株)博報堂のシンクタンク「博報堂買物研究所」と、EC領域に特化した組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」がこのほど発表した『Z世代×ニューコマース調査』の結果によると、Z世代のコマース行動は「バイヤー型消費」と名付けるにふさわしいとした上、「開拓志向」「越境志向」「見極志向」「即決志向」が特有の買い物行動としている。
「開拓志向」「越境志向」「見極志向」「即決志向」が特徴
定量調査は、15歳~59歳の男女(15歳~25歳のZ世代1854人、26歳~41歳のY世代、42歳~59歳のX世代各516人)と、次世代コマースのライブ、ソーシャル、クイック、メタの各コマースユーザー計957人に。定性調査はZ世代の男女5人に聞いた。調査は1月と2月。
調査から見えたZ世代は、積極的に情報収集をして、自分が欲しい情報を自ら取りに行く「開拓志向」、良いものを選ぶために国内外を問わずに製品を購入する「越境志向」、自分なりの情報筋を確保しつつ、本当に信用できる情報かを見定める「見極志向」、良いと判断したものは、自分の直感を信じて即決で購入する「即決志向」という特徴が見られた。
バイヤーさながらに自らの足で積極的に情報を得て、情報の真偽を見極めながらコマース行動を行う姿から名付けたのは「バイヤー型消費」。バイヤーとは、マーケットのトレンドを読みながら売れそうな商品を種々のブランドやメーカーから仕入れ・買い付けする職種のことだ。
Z世代特有のコマース行動を把握するため、Y・X世代と比較した。定量調査の「トレンドや流行りの商品を選ぶ」には、Z世代39%、Y世代27%、X世代16%が「あてはまる」。 一方、「店舗よりもSNSで商品を探したほうが人と被らないファッションを探せる」に、「あてはまる」という回答は、Z世代が45%、Y世代が29%、X世代が21%だった。
定性調査では「流行っていても自分が好きだと思ったら見たり買ったりするけど、そうでもなかったら別に買わない」など、トレンド品といえども安易に飛びつかず、自分の嗜好と照らし合わせて購入をする姿があった。
新しい商品との出会いを求めてソーシャルコマースを利用
さらに、「自分が知らない海外メーカーの商品でも、SNS上で日本人の評価が高ければ購入したいと思う」と回答したZ世代は57%。Y世代は43%、X世代は31%だった。併せて、「企業が発信する情報よりも、評価が高い個人のSNSの情報を参考にして買うことが多い」に、「あてはまる」と回答したZ世代は51%。Y世代は35%、X世代は23%だった。
分析担当者は、令和の消費行動をリードし続けるZ世代にアプローチするには、こうしたコマース行動を踏まえた戦略設計・行動デザインが欠かせない。Z世代から信頼を獲得できる商品情報の伝播方法や、「買いたい」衝動を逃さないシームレスな購買導線・決済を提供する新しいコマース体験など、特性をうまく捉えたプラニングが必要不可欠だとしている。
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