2023.05.19 通販支援
物流2024年問題、「運賃値上げ交渉」は二極化の様相
M&Aキャピタルパートナーズ(株)が18日発表した『物流・運送業の意識調査(2023年版)』によると、業界の先行きに対して70%の経営者が「厳しくなる」と回答。迫る「2024年問題」など、難しい経営のかじ取りを強いられ、厳しい先行きを予想していることがうかがえた。

「荷主との力関係で運賃交渉をできる関係にない」が54.5%
10日と11日に、物流・運送業の経営者100人に聞いた。それによると、荷主企業とのコミュニケーションにも変化があった。52%が荷主企業に対して「運賃の値上げ交渉を実施済み」で、その結果、47.3%が「値上げしてもらった」と回答。一方、「荷主との力関係で運賃交渉をできる関係にない」が54.5%と、二極化ともいえる実態が浮かび上がった。
同様の調査は22年10月に続いて2回目。物流・運送業界の先行きに関しては、70.0%が「厳しくなる」と回答。また、燃料費の高騰、「2024年問題」やドライバー不足・高齢化などによる人材確保難や人件費高騰、小口配送の増加など、近年の厳しい経営環境を背景に、83%が「厳しくなった」と答えていた。
荷主と「運賃交渉をしている」物流・運送業者は52%
荷主企業に対する「運賃の値上げ交渉」については、「既に運賃交渉をしている」が52.0%、「予定がある」が19.0%。一方で、22.0%が「予定はない」と答えていたが、値上げ交渉を「したいと思う」は72.7%に上り、「したいと思わない」は27.3%という結果となった。
「既に運賃交渉をしている」とした経営者に「その後」を聞いたところ、「要望通り値上げしてもらった」が17.3%、「値上げしてもらったが要望より少なかった」が30.8%、「変化はなかった」が25.0%だった。また、1.9%が「取引がなくなった」。
「値上げしてもらったが要望より少なかった」「変化はなかった」とした経営者に、利益確保のための対策を聞いた質問(複数回答)では、「コストを削減する」が62.1%、「採算が取れない、交渉に応じてくれない荷主企業の仕事からは撤退する」が44.8、「運送効率を上げる」が41.4%、「DXをとり入れ生産性を向上させる」が20.7%という回答が挙がっていた。
「法律による最低賃金の上昇」「標準的な運賃」などを説得材料に
「要望通り値上げしてもらった」と回答した経営者が、交渉の際に行った工夫についての自由回答では、「法律による最低賃金の上昇の説明」(52歳)や「標準的な運賃の使用」(59歳)、「車両購入費・部品代・燃料費・人件費の高騰を表にして説明」(52歳)、「下払いの値上げ分をそのまま持って行った」(49歳)などの「動き」がうかがえた。
「運賃交渉をする予定はない」と答えた経営者の「交渉が行わない(行えない)理由」(複数回答)」は、「荷主との力関係で運賃交渉をできる関係にない」が54.5%、「取引がなくなる懸念がある」が45.5%、「取引量を減らされる恐れがある」が18.2%の順だった。また「2024年問題など、運送会社が抱える課題に対しての理解が浅い」(4.5%)という回答もあった。
値上げ交渉以外で、荷主に対して改善交渉をしていることについて、自由回答で聞いたところ、「時間外労働の削減」(48歳)や、「待機時間の軽減、適正化」(40歳)、「拘束時間の短縮」(50歳)、「配送の効率化」(52歳)など、回答は81項目にわたった。
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