2023.02.14 行政情報
トクホに商機到来!「メタボ」など3つのリスク低減表示が誕生へ
消費者庁は14日、特定保健用食品(トクホ)制度の疾病リスク低減表示の許可で、「心血管疾患」「メタボリックシンドローム」「2型糖尿病」の発症リスク低減を表示内容とする3商品について、消費者委員会に諮問したと発表した。トクホ復活のカギを握る疾病リスク低減表示の拡充に向けて、消費者庁は大きく舵を切ったようだ。

消費者庁発表の資料より
消費者庁発表の資料より
マルハニチロ、花王、サントリー食品インターナショナルがチャレンジ
トクホの1形態である疾病リスク低減表示の許可を得た商品では、具体的な疾病名を挙げて、発症リスクが低減する可能性を表示できる。
基準が定められているのは「カルシウムと骨粗しょう症」と「葉酸と神経管閉鎖障害」の2つのみ。これら以外の疾病については、個別に学術データなどを用意して申請する必要がある(個別評価型)。しかし、許可要件があいまいだったことから、チャレンジする企業がほとんど出てこない状況が続いていた。
今回、個別評価型の疾病リスク低減表示で申請したのは、マルハニチロ(株)、花王(株)、サントリー食品インターナショナル(株)の3社。
マルハニチロは、DHA・EPAを関与成分とするフィッシュソーセージを申請。「歳をとってから心血管疾患になるリスクを低減する可能性がある旨」を表示する。
花王は茶カテキンを配合した飲料で、表示内容は「メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する旨」。
サントリー食品インターナショナルでは、桑の葉由来イミノシュガーを用いた飲料に、「2型糖尿病の発症リスクを低減する可能性がある旨」を表示する。
トクホ復活のカギ握る疾病リスク低減表示
機能性表示食品制度の登場により、業界の“トクホ離れ”が加速。トクホ復活に向けて消費者庁では、トクホ制度にしか認められていない疾病リスク低減表示の拡充を検討してきた。今後の方針として、個別評価型の申請のニーズに適切に対応する考えを示していた。
これまで、どのような科学的知見が必要か明確でなく、また国への事前相談はハードルが高いと考えられていたことから、積極的に動く企業は見られなかった。しかし、消費者庁が申請に向けた事前相談に乗る姿勢を示したことで、大手を中心に動き出したとみられる。
消費者庁では「(申請企業が)前向きに相談しながら、今回の諮問につながった」(食品表示企画課保健表示室)と説明。引き続き、制度拡充に向けて申請企業からの相談に対応する方針だ。
今回の動きに対し、業界内では「これまでチャレンジできていなかったが、まずは俎上に乗った。だが、答申されるかどうかはわからない」といった、期待と不安が入り混じった声が聞かれる。
今後は、消費者委員会の新開発食品調査部会・新開発食品評価第一調査会で行う有効性・安全性に関する審査の行方が注目されそうだ。
(木村 祐作)
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