2022.08.18 ECモール
アリババ決算1Qは初の減収、純利益30%減…コロナ禍で消費低迷
目次
コロナ禍の社会活動規制強化などで売上高は初の減収に、コマース事業も伸び悩み
微減となった売上高は2014年の上場以来、初めての減収。コロナ禍による社会活動の規制強化で個人消費が低迷し、中核のコマース事業も伸び悩んだ。同社は4月、5月は成長率が鈍化したが、6月には改善の兆し。質の高い消費者基盤と、顧客の多種多様なニーズを満たすことができる事業基盤があり、今後の長期的な成長に対して自信を持っているとしている。
コマース事業の売上高は前年同期比1%減の1419億3500万元(約2兆8387億円)。その中で、タオバオとTmallは顧客維持率を保ち続けている。物流ネットワークの正常化と、「天猫618」の牽引もあってGMVは回復し、天猫618ではGMVが前年同期比で増加。タオバオとタオター(淘特、旧・タオバオ特価版)の直接販売商品によるGMVは同40%以上増加した。
タオツァイツァイのGMVは急速に成長し、前年同期比200%以上となった。また、価格戦略の最適化、購入額の拡大、運営コストの削減で、赤字幅は前四半期比で大幅に縮小した。グループの直販・その他売上高は同8%増の647億1400万元(約1兆2,942億円)。主にフーマー(盒馬鮮生)、Tモールスーパー(Tmall Supermarket)、サンアート・リテールのオンラインでの食品、雑貨、日用消費財の売上牽引による。
Lazadaなどのグローバル小売事業は好調
グローバルコマース事業の売上高は前年同期比2%増の154億5100万元(約3090億円)となった。Lazada、AliExpress、Trendyol、Darazなどのプラットフォームを含むグローバル小売事業の売上高は105億2400万元(約2104億8000万円)だった。
Lazadaの東南アジアにおける注文数は、前年同期比10%増と堅調。コロナ禍による制限が解除され、オフラインでのショッピングが回復したため、注文数増加は鈍化している。Lazadaは継続的に運営効率を改善することで、当期の赤字幅を前年同期比で縮小した。
グローバル卸売事業は、売上高が前年同期比12%増49億2700万元(約985億円)。成長は主に越境ビジネス関連の付加価値サービスの売上増加による。Alibaba.comの取引額は同16%増となり、主に工業製品取引の堅調な成長が起因している。
ローカルサービス事業の売上高は前年同期比5%増の106億3200万元(約2126億円)。度重なるコロナ禍の流行による予防措置の影響を受け、総注文数は同5%減となった。
ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)の売上高は前年同期比5%増の121億4,200万元(約2428億円)で、主にコマース事業に提供するフルフィルメントソリューションと、付加価値の高いサービスにより売上が成長したことによる。エンドツーエンドの物流機能を強化することで、国際的な物流基盤を拡大し続けている。
新しい国際仕分けセンターを7月にイスラエルに設置し、同社の海外仕分けセンターは合計10か所になった。配送体験改善のために、スマートキャビネット機能の充実、ボルトオン買収、ヨーロッパでのラストマイル配送能力の強化など、機能性を高めるための投資を続け、越境ECを展開するマーチャントをサポートした。現在、ツァイニャオ・ネットワークはヨーロッパで7700台以上のスマートキャビネットを設置している。
成長分野のクラウド事業は売上高10%増
成長分野であるクラウド事業の売上高は前年同期比10%増の176億8500万元(約3537億円)。Alibaba Cloudの売上高の増加は、主に金融・公共サービス、電気通信業者の牽引により、非IT業界全体が回復傾向であることを反映している。IT業界以外の顧客からの売上高は総売上高の53%を占め、同5pt以上の増加となった。調整後EBITA(非GAAPベース)は2億4700万元(約49億円)で、主にグループの技術開発への投資額増加による。
デジタルメディア及びエンターテインメント事業の売上高は72億3100万元(約1446億円)。ヨウク(Youku)の1日平均有料会員数の規模は、前年同期比15%増となった。この背景にあるのは、主に良質なコンテンツと、88VIPメンバーシッププランによる継続的な貢献。ヨウクはコンテンツや制作能力への規律ある投資を通じて経営効率の改善を継続しており、5期連続で前年同期比で赤字幅を縮小している。
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