2021.12.27 調査・統計
21年化粧品EC市場、10.9%増の4166億円に…通販系メーカーが増加
(株)富士経済がこのほど発表した『国内の化粧品EC市場調査』の結果によると、コロナ禍を背景に、実店舗からECへのシフトを打ち出す動きも少なくなく、市場は拡大。2021年の化粧品EC市場は、20年比10.9%増という二けた成長の4166億円を見込んだ。

化粧品市場、19年までは拡大もコロナ禍で減少に
化粧品の全体市場は、インバウンド需要やエイジングケア志向の高まりから、機能性を重視した単価の高い商品を選択する消費者の増加を受け、19年まで拡大を続けてきた。しかし、20年はコロナ禍の影響を大きく受け、19年比14.5%減の2兆7502億円となっていた。
21年は営業状況の改善や、外出機会の増加などから、20年比3.3%増の2兆8415億円が見込まれる。一方、化粧品通販市場は参入のしやすさもあってプレーヤーが増えている。また、楽天市場やAmazon.co.jpといったECプラットフォームが好調で、利便性やポイント還元などによって需要をとり込んでおり、市場は拡大している。
化粧品ECが重点チャネルに
特に化粧品ECは、デジタル化の加速を受けて重点チャネルの1つに位置付けられ、制度品系メーカー(直接小売店と契約して商品を販売する、制度品システムを採用するメーカー)や、百貨店系メーカー(対面販売を主体に展開するメーカー)といった実店舗販売を主体にしてきたメーカーでも新規顧客の獲得を目的に展開を強化していることから、市場が拡大している。
化粧品EC市場は20年が前年比20.6%増の3757億円で、全体市場に占める割合は、同4.0ポイント上昇して13.7%。コロナ禍での制約などで、百貨店系メーカーやライフスタイル系メーカーを中心に、ウェブ広告やライブコマースが強化され、ECがその需要の受け皿になった。21年は同10.9%増の4166億円と、市場は続伸するとみられる。
化粧品EC市場で「通信販売系メーカー」が46%に
ECの実績が最も大きいのがECをメインチャネルの1つとする通信販売系メーカー。20年実績は前年比12.5%増の2968億円で、21年は同9.1%増の3239億円を見こむ。続く百貨店・カウンセリング系メーカーは、百貨店の店舗数が減少していることからECに注力しており、20年は前年比で2倍となる281億円、21年も同19.2%増の335億円を予測した。
EC化率が最も高い通信販売系メーカーは、20年に46.8%となった。スマホの普及やコスト圧縮を目的に、カタログ発行部数やインフォマーシャルの投下量を減らしてECに注力するメーカーが増加し、EC化率の上昇が続いている。実店舗をメインチャネルとしていた百貨店・カウンセリング系メーカーやライフスタイル系メーカーも前年比11.5ポイント増の17.9%、同66.5ポイント増の17.5%と、それぞれEC化率が高まった。
22年以降、コロナ禍が落ち着けば、百貨店・カウンセリング系メーカーは、カウンターでの肌測定やタッチアップを求める消費者が実店舗に回帰するため、EC化率の伸びが一時的に停滞するとみられる。一方、ライフスタイル系メーカーについては、新規性の高い新興ブランドなどが人気となる傾向があり、こうしたブランドでは直営店や配荷店舗数にも限りがあることから、ECを利用する消費者も多く、EC化率が引き続き高まるとみられる。
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