2021.10.15 調査・統計
2020年国内アパレル市場規模、19%減の7兆5158億円…EC好調も百貨店が深刻
(株)矢野経済研究所がこのほど発表した『国内アパレル市場に関する調査』の結果によると、2020年の市場規模は前年比81.9%の7兆5158億円。EC・通販チャネルは前年から伸びたが、専門店や百貨店、量販店はいずれも規模縮小の苦戦を強いられた。

ファッション通販サイトやECモールなど、通販のみ市場を拡大
調査は7~9月。アパレルメーカー(総合アパレル、メンズアパレル、レディスアパレ、ベビー、子供アパレルなど)、小売業(百貨店、量販店、専門店、その他)、業界団体などを対象とし、販売チャネル別の動向や産業の現況などを明らかにした。
紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品を合計した20年の国内アパレル総小売市場規模は7兆5158億円、前年比81.9%と大幅な減少となった。百貨店が最も深刻で、量販店や専門店も苦戦。ファッション通販サイトやECモールなど、その他(通販など)だけが伸びている構図となった。各チャネルの苦戦は、消費者の外出自粛傾向など、コロナ禍による国内市場の消費マインドの冷え込みも影響している。
紳士服ではスーツウェアの消費が減退
百貨店は、紳士服に限らず衣料品全般が厳しい状況が持続。特に紳士服ではオケージョン需要の減退だけでなく、ビジネス着のカジュアル化がリモートワークの増加で加速し、スーツウェアの消費が減退している。量販店は、品揃えや低価格だけでの集客が難しい状況で、専門店の自社アプリなどを利用した効果的なプロモーションで、顧客が流出している。
専門店は、コロナ禍前からあったビジネス着のカジュアル化で、主要紳士服専門店チェーンが苦戦を強いられている。ワークスーツなどを展開し、客層拡大に向かっているものの競合が激しくなっている。セレクトショップも売上高が減少傾向にあり、例えば、流行のアウトドアなどを切り口として、アパレル以外の周辺アイテムを揃える動きが活発になっている。
アパレル業界の今後はECと店舗の相互集客「OMO」がポイントに
その他(通販など)では、ファッション通販サイトやECモールなどECが成長している。今後、どのようにECの顧客が店舗に行く仕組みづくりを行うか、OMO(Online Merges with Offline オンラインとオフラインの融合)の試みが始まっている。
国内アパレル総小売市場は、コロナ禍の終息は不透明なものの、行動制限の緩和などを要因に一時的に回復基調になるとみる。しかし、中長期的にみると少子高齢化や人口減少、景況悪化による消費の冷え込み、インバウンド(訪日外国人客)の回復時期が見えないなどのマイナス材料が多く、市場は減少傾向の見通しだ。
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