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2018.12.13 通販支援

「独身の日」に何が起きていたのか?W11を現地マーケターが総括

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通販通信の読者の皆さま、初めまして。(株)unbot(アンボット)の福積と申します。通販通信からの提案を受け、この度、「独身の日」に関するコラムを執筆することになりました。弊社は中国で日系企業向けに中国国内/越境ECの運用や、SNSの運用、インフルエンサーマーケティングをご提案させていただいております。中国向けの越境EC案件が急増していることで、今年の「独身の日」も多忙を極めることになりました。ありがたいことです。

 

 

 

 そこで今回は、現地のマーケター目線で、日本でも多くのメディアに取り上げられた中国最大のEC商戦「独身の日(W11:ダブルイレブン)」を総括してみました。

 

2018年「独身の日」を振り返る

そもそも、「独身の日」(ダブルイレブン)とは?

 「独身の日」と称される11月11日は、実は正式な祝日ではありません。

 

 1990年代の中国では、大学生の間で、11月11日をシングルに見立て、独身者同士でプレゼントを贈りあったり、お見合いパーティーが開催されたりする「シングル」向けイベントが盛んでした。

 

 これに目をつけた阿里巴巴集団(以下、アリババ)が、「デートにいけない人は買い物をしよう!」というコンセプトで、09年の11月11日から開始したECキャンペーンが「独身の日」なのです。

 

 今では毎年恒例の中国最大級のEC商戦へ成長した独身の日ですが、すべての企業やブランドがこのプラットフォーム(以下PF)主導の独身の日キャンペーンに参加できるわけでなく、ある一定のPFの基準を満たし、PFのバイヤーから「あなたは参加できますよ」、と通達があった場合のみ「PF主導のキャンペーン」に参加できるのです。

 

 そう、中国では出店側ではなく、運営側が圧倒的力を持っています。

 

2大プラットフォームの2018年の「独身の日」結果まとめ

 早速、アリババの天猫(以下、Tmall)と京東(以下、JD.com)の2大プラットフォームの18年のダブルイレブンの数字を見ていきましょう。

 

 例年同様、TmallとJD.comともに、独身の日の売上は過去最高記録を更新しています。

 

 去年の独身の日では、割引対象の商品選定や、割引適応になる対象商品が非常に理解しづらかったため、今年は両者とも去年の反省を活かし、私たちの想定通り「割引方法の簡素化」を行なっていました。

 

 さらに、予約販売(独身の日の本番当日までに一部の金額を前払いし、11月11日の0時以降に残金を決済すると本体価格が安くなる)の商品選定が当日の売上に及ぼす影響が非常に大きくなり、予約販売の商品選定と価格選定が独身の日の結果の明暗を分けている企業も出てきています。

 

【TmallとJD.comの「独身の日」売上】

 

Tmall売上は26.9%増の3.5兆円

 

【Tmall「独身の日」売上】

 

 Tmallの「独身の日」売上は、が昨対比126.9%の2135億元(約3.5兆円)という結果でした。売上計算は、ダブルイレブンの当日である11月11日の1日の売上合計金額になっています。

 

 Tmallは売上を1日で最大化させるためのキャンペーン内容となっていて、毎年売上推移をアリババ本社の大画面テレビで写し、お祭り感を出しながらユーザーの購買意欲を促進し、企業のブランディングも同時に行なっています。

 

 今回の独身の日当日の時間別売上推移を、以下にまとめました。

 

◆2分5秒で100億元(約1630億円)

◆35分17秒で571億元(約7423億円)

(2014年「独身の日」当日の売上記録)

◆1時間16分で912億元(約1兆1856億円)

(2015年「独身の日」当日の売上記録)

◆1時間47分で1000億元(約1兆6300億円)

◆8時間8分で1207億元(約1兆9674億円)

(2016年「独身の日」当日の売上記録)

◆15時間49分39秒で1682億元(約2兆7412億円)

(2017年「独身の日」当日の売上記録)

◆24時間で2135億元(約3.5兆円)

 

 物流配達個数に関しては、11月11日の23時18分時点で10億個を突破し、昨年の8.12億個を上回りました。これは10年前と比較して、3800倍以上の成長率となる凄まじい注文数となりました。

 

 独身の日の当日1日での売上が1億元(約16.3億円)を突破したブランドを一部ご紹介します。

 

 美容系はSK-Ⅱ、Panasonic、資生堂、アパレルはユニクロ、ZARA、H&M、TIMBERLAND、GAP。電化製品はHUAWEI、Haier、Apple、xiaomi、SAMSUNG、SONYなどです。

 

 ユニクロは、開始からわずか35秒で1億元(約16億円)を突破しました。

 

 

【JD.com「独身の日」売上】

 

JD.com売上は25.7%増の約2.6兆円

 JD.comの売上は、昨対比125.7%の1598億元(約2.6兆円)という結果でした。売上計算は、例年通り11月1日〜11日の売上合計金額となっています。

 

 今年の特徴としては、SNSとの連動キャンペーン、JD.comの指定110ブランドによる110通りのキャンペーンなどを実施し、1.8億人がこのキャンペーンに参加しました。(「独身の日」期間では、2億人以上がJD.comミニプログラムを活用)

 

◆売上金額カテゴリー別ランキング

1位:スマートフォン

2位:エアコン

3位:ノートPC

4位:テレビ

5位:洗濯機

 

◆販売個数アイテム別ランキング

1位:お菓子

2位:シャンプー&リンス

3位:ケーキ

4位:ワンピース

5位:歯磨き粉

 

◆地域別購入ランキング

1位:広東

2位:北京

3位:江蘇

4位:浙江

5位:山東

 

 ニューリテールに関しては、60万店舗を超えるブランドがO2O購入体験をユーザーに提供し、オフラインでは、京東之家、京東便利店(無人コンビニ)、京東X無人超市(無人スーパー)、7fresh(生鮮スーパー)などが参戦しました。

 

2018年「独身の日」を総括

 私が今回の独身の日を通して感じたポイントは、以下の3点です。

 

1.グローバル化した販促

 11月1日〜11日までの期間で、中国人による越境ECモールでの購入額は4890億円に上りました。国別の売上ランキングをみると、日本、アメリカ、韓国、オーストラリア、ドイツの順番で人気でした。海外ブランドは、ベビー向け商品や、化粧品、アパレル、スーツケース、サプリメントなどの人気が非常に高かったです。

 

※中国に進出し、現地法人によって中国でEC展開している海外ブランドの数字はカウントされていません。

 

2.3級、4級都市ユーザーの消費力UP

 独身の日では、3、4級都市の購入のうち70%以上が80、90年代以降の若いユーザーとなっています。

 

 15年より政府が農村地域へのEC発展の政策立案を機に、各社はさまざまな施策を持って農村地域の新規ユーザーの囲い込みに取り組んできました。

 

 農村地域のEC市場規模は、16年実績が昨対比136.6%で、4823 億元となり、17年の市場規模は6000億元になる見込みで、これは、中国BtoC全体の1/4の規模にあたると言われています。

 

 中国では、農村戸籍の人数が、6億人近くになると言われていて、彼らの所得の上昇に伴い、農村地域のEC化率が急速に上昇。給与所得も10年前の2倍以上になっています。

 

 農村地域のEC市場が、直近3年間で6倍に成長。さらに物流インフラも急速に整備されており、ここ8年間で10万キロ以上の道路が新設されました。

 

 

3.ローカルブランドの競争力強化

 中国のローカルブランドが近年非常に力をつけてきて、独身の日の時期の売上ランキングのTOP10のうち、8ブランドがなんと中国ローカルブランドでした。「中華老字号」という食品ブランドはTmallで約1000億円を1日で売り上げました。

 

 これまでは、「安心、安全、高品質」カテゴリー商品に関しては、海外ブランドが強く、中国人ユーザーのニーズを満たしていましたが、ローカルブランドの商品開発、ブランディング力などが功を奏して、海外ブランドの強かった土俵で戦うことができてきたのです。今後もますますローカルブランドが海外ブランドでしか訴求できなかった強みをカバーし、ハイクオリティ、低価格で商品提供を行うことが想定されます。

 

 そのため、これまで「安心、安全、高品質」だけを訴求していた海外ブランドが中国で戦っていくためには、これら以外の強みを打ち出していく商品開発力や、ローカルブランドに負けないプロモーション戦略や投資が必要になってきます。

 

 独身の日で成功するためには、「独身の日」の時期だけの販売プロモーションだけでなく、年間を通じた販売戦略や、価格戦略、育成商品選定など、さまざまな施策が必要となります。中国でモノを販売、プロモーションしたいと思われているブランド様は、まずunbotまで気軽にお声掛けくださいませ。

 

※記事内レートは、1円=16.3元で計算しております。

 


著書プロフィール

(株)unbot 営業部部長 福積 亮(ふくずみ・りょう)

2016年、unbotに入社。EC、SNS、インフルエンサーマーケティングの運用を経て、現在は営業部の部長を務めながら、大手中国系メディアとの業務提携も担当。天猫(Tmall)、京東(JD.com)、唯品会(VIP)、小紅書(RED)などの出店交渉&運用実績多数。上海と東京をベースに活動している。現在、中国での勤務・在住が7年目となる。

 

■(株)unbot

代表者:代表取締役社長 中町 秀慶

設立:2014年11月(創業2011年9月)

社員数:130人(グループ連結・非正規雇用含む)

本社:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-21-7

URL:http://unbot.co.jp/

 


 

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