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2018.04.23 コラム

大阪府が初の措置命令…都道府県による景表法執行が活発に

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都道府県による景品表示法の執行が活発になってきている。19日に大阪府が、実店舗来店促進チラシに表示していた期間を特定したセール価格に実体がなかったとしてイオンリテール(株)に対し措置命令を下した。大阪府が景表法を執行するのは今回が初めて。3月には東京都が、根拠のない痩身効果表示や二重価格表示をしていた通販会社に対して初の措置命令を行なっている。

 

 

消費者庁から情報提供受け、大阪府が執行に乗り出し

 イオン吹田店では来店促進のチラシにで「朝9時からのタイムサービス」「昼12時まで」などとして、198円で調味料などを販売すると表示していた。ただ、実際はチラシが特定していた期間や時間を過ぎても198円で販売をしており、景表法の有利誤認に当たると判断された。

 

 大阪府の府民文化部・消費生活センター事業グループによると今回のケースは「消費者庁から情報提供を受け、府が執行を担当した」のだと言う。「消費者庁に、大阪府内のイオンの店舗でチラシの割引価格表示に違反があるのではないか、とする旨の相談が一般消費者から寄せられた。大阪府内の地域のローカルな実店舗に関する案件ということもあり、府に情報提供があった」そうだ。景表法措置命令の執行権限は「消費者庁」「地方経済産業局」「都道府県」がそれぞれ持つ。大阪府が情報提供を受け、府で今回の件を担当するまでには「広域案件であるかどうかも一つのポイントだった」とする。「府内の特定の店舗に関する相談だったということもあり、府が担当するのが妥当なのかなと判断した」(同)という。

 

 インパクトの大きい都道府県による景表法執行が続く中、大阪府が消費者庁からの情報提供を受け動いたというのは見逃せないポイントだ。東京都が3月末にギミックパターンに措置命令した案件ではどうだったか。東京都によると「ギミックパターンの措置命令の端緒は、都が行なっているネット上の広告監視事業から拾い上げた内容。消費者庁からなにがしかの情報提供があったなどということはない」(生活文化局消費生活部取引指導課)としており消費者庁の関与はなかったようだ。とはいえ今後、消費者庁の情報提供から都道府県が執行に乗り出してくるケースは増える可能性がありそうだ。

 

 

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都道府県案件の課徴金調査は消費者庁マターに

 イオンリテールの件が、課徴金の対象になるかなどについては、都道府県には課徴金納付命令権限を持たないため、調査を含めて消費者庁マターになる。消費者庁の表示対策課によると「一般論として、都道府県案件の景表法措置命令案件の課徴金については消費者庁が調査や納付命令などを担当することになる。ただし、個別の案件に対する質問については答えられない」(笠原慎吾上席景品・表示調査官)としている。

 

識者は有利誤認表示の取り締まり強化の可能性を指摘

 通販法務に強みを持つ丸の内ソレイユ法律事務所に所属する景表法に詳しい成眞海弁護士は「東京都と大阪府という規模の大きい自治体が執行に乗り出した。愛知県や福岡県など、規模の大きいほかの道府県も続く可能性はある」と指摘する。「都道府県の執行リソースを考慮すると、認定に時間もかかりノウハウも必要な『優良誤認』の執行が激増することは考えにくいのではないか。一方で二重価格表示などが該当する『有利誤認』案件は認定が比較的スピーディーに行える。東京都と大阪府の動きが影響して、二重価格表示など有利誤認案件の都道府県による執行が増えてくるのでは」と危機感を示している。

 

 成弁護士はこうも指摘する。「大阪府のケースを考慮しても、実店舗のチラシやポップ表示などといったローカルな案件を都道府県が厳しく取り締まっていくという流れになるのではないか」。また「人口が少なく職員数も少ない県などについては、リソース的にそもそも執行が難しいということもあるのでは」とみている。

 

 東京都や大阪府のケースから、措置命令案件自体の調査を都道府県が担当し、課徴金調査を消費者庁が行うという役割分担型の執行が増えてくる可能性もゼロとは言えないだろう。そうすると、執行件数自体が増える可能性は高くなるかもしれない。いずれにせよ通販事業者は自社の表示が「有利誤認」に当たらないかなど、コンプライアンス遵守の意識をこれまで以上に高める必要があるだろう。

 

29年度には北海道・栃木県・長野県・兵庫県・福岡県も初の措置命令

 なお、消費者庁が3月に公表した資料を見ると、29年度(17年4月〜18年3月)の2月末時点までの都道府県による措置命令件数は7件。14年12月から都道府県にも措置命令権限が付与されて以降、措置命令件数は例年数件程度に留まっていたが、29年度はかなり増えている。

 

 29年度2月末までに措置命令を行なっているのは、北海道・栃木県・長野県・静岡県・兵庫県・福岡県の6道県。静岡県は年度内に2つの措置命令を出している。

 内容としては、地場の中古自動車販売業や不動産業、農協に対するものが多い。静岡県については17年8月に都内でパジャマなどを販売していたEC事業者2社に対し措置命令を行なっており、東京都以外にも通販案件の措置命令が出ている。

 

大阪府の措置命令内容

 

東京都の措置命令内容

 

景品表示法に基づく法的措置事件の概要(平成29年3月1日~平成30年2月28日)

 

 

(古川寛之)

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