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2014.07.24 コラム

EC業界のターニングポイントは、2020年。成功の分かれ道は、これから5年でどれだけ基板を作れるか

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ネットショップ総合パッケージ「Eストアーショップサーブ」や、ネットショップの本店コンサルティング、集客代行など、国内最大の本店(=独自ドメイン店)支援を行う、株式会社Eストアー。1999年創業時から同社を支え、2011年に役員に就任した高崎青史氏に、近年の業界トレンドや、今後のEC業界についてなどの話を聞いた。

新規ショップの開店率は減少傾向にあり

Q.高崎さんのEストアー内での立ち位置を教えてください。

当社が手掛けているサービス全般のマーケティング、コンサル事業を監修しています。

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Q.近年のEC業界において、特長的な動きはありますか?

 特に法人においてですが、ここ1、2年ほど、新たにECを始めようという動きは減少傾向にあると感じています。2014年5月に発表された、楽天さんの決算内容からも読み取れるように、四半期ベース(2014年12月期第1四半期連結決算)での利用店舗数は、1.9%増と、「伸び盛り」といえる時期は超えたようです。また、ECを始めたものの力を入れることができず、放置している、または中々成果が出ないというケースも目立ちます。一方で、オークションなどのCtoC市場は活況を呈しているという印象です。 ECを手掛けている企業を大中小と分けると、真ん中が少しずつなくなっていき、いずれ大きいところと小さいところに、二極化していくのではないかと見ています。

 

Q.顧客側の傾向はどうでしょうか?  

 売れ筋が変わってきましたね。以前はECで売れるものといったら、アパレル、食品、健康食品が定番でしたが、近年は、家具やインテリアなど「住」の分野が伸びています。これはECに限らずリアル店舗でもそうですが、すでに「衣食」は満たされてきたので、「住」に注目が集まってきているのだと思います。

  また女性向けのDIY関連商品や、カー用品なども人気を集めています。これもネットだけでなく、世の中全体のトレンドとして動きがあることなのですが、これまで男性に支持されてきた世界が女性にも受け始めており、そうした「女性向け」市場が盛り上がりを見せています。

 

Q.EC市場自体は伸びている、と言えるのでしょうか?

そうですね、お客様の購入手段がどんどんリアルからネットにシフトしているので、それに伴い市場は伸びていると言えるでしょう。 ただし、世界で見たらまだまだ。アメリカのEC化率は、8%と言われていますが、日本は3〜5%。ECに取り組んでいる大手企業の中では、10%を目指しているところも多いようですが、そこにいくまでには、まだ課題が潜んでいるというのが実状です。けれどそれは同時に、伸びしろがあるということでもあります。 今は「オムニチャネル」という言葉も浸透してきたように、ネットとリアルの垣根がなくなり始めています。ネットで新規顧客獲得を続けて行くのは、コストがかかりすぎる上に、必ず限界がきます。ECの場合重視すべきは、売上よりも利益。利益が出ていなければ継続的な運営が出来ないからです。つまり、コストを抑え、継続的に利益を生み出して行くためには、どれだけ既存のお客様にリピーターになってもらえるかが、カギなのです。 その一つとして、リアルで購入していただいているお客様を、いかにECに誘導できるかも命運を分ける重要なポイントと言えそうです。 また、スマホやタブレット等、消費者が利用するデバイスの多様化による伸びしろや、EC事業者の商品開発力や生産力の向上による伸びしろ等、市場が伸びる要素はまだ十二分にあると感じています。

売上よりも利益重視に

Q.御社は本店支援をメインとされていますが、お客様からの要望としてはどんなものが多いのでしょうか?

 モール店ではできない、本店ならではの強みを活かした機能やコンサルティングですね。モール店では、マーケティングに必要なデータや顧客情報を取得しようにも限界があります。また、そもそもモールに訪れる消費者の方は、低価格なものを探される傾向があります。 ショップが継続的に利益を出し続けていくためには、本来しっかりとした分析が不可欠です。データをひも解き、PDCAをしっかり回していくことで、売上や利益を計画的に安定的に伸ばすことができます。また、既存のお客様との関係性を強いものにするには、顧客情報の分析から導かれた、緻密かつ体温があるリピート施策が肝になります。 モール店と本店との顧客層の違いを意識した運用についてのご相談も増えきているので、このような、本店ならではの強みを活かせる機能やコンサルティングを充実していきたいと考えています。

 

Q.先ほど、高崎さんは利益が大事だとおっしゃっていました。もちろん売上も重要な指標だと思うのですが…

 売上が伸びていても、蓋を開ければ赤字続きでしたでは意味がないので、売上と利益のバランスが重要です。たとえば、新規顧客獲得を目的として闇雲に広告費を投入し続けるなど、利益を圧迫するような売上の伸ばし方はオススメできません。 広告に依存しない方法としては、コンテンツに力をいれていくことを推奨しております。コンテンツとは、自社の商品情報だけではなく、その商品に関する付随する情報です。たとえば、観葉植物を販売しているショップであれば、歴史、設置の工夫方法、水のやり方、気温や湿度ごとの管理方法、上手に育てるコツや、その他商品にまつわるプチ雑学など、読んでいて楽しい! もっと知りたい! と思える情報です。 こうした情報を、既存顧客・新規顧客問わず、サイトやメルマガ、ブログ、Facebok、twitterなどで発信をしていくことにより、このショップは信頼できる! 面白い! と思ってもらえるようになり、広告依存から脱却できるようになります。 また、私たちが支援しているお客様は、ショップの質を下げないために、無理に売上を伸ばさないという施策をとっているところが増えてきています。2〜3人でショップを回しているある事業者は、月商1,000万円あれば十分利益が出るということで、目標額を1,000万円に設定し、それをクリアすることを意識しています。方法次第では2,000万円をクリアすることもできるかもしれませんが、そうなると広告の投下や人員の追加等が必要になり、ページ制作や顧客対応の質が落ちることになりかねません。だから無理に売上は伸ばさない、というのがこの事業者の判断です。 新規顧客獲得を続けて行くのは大変なことです。既存のお客様にリピーターで居続けてもらうためには、どうすべきかを常に念頭に入れながら運営を続けていくことが大切です。

オリンピックまでに、どれだけ基板を作れるか

Q.今後のEC業界はどう変わっていくと見ていますか?

 成長の限界は、2020年くらいにくると考えています。これはECに限った話ではないですが、オリンピックを機に、国内の成長は頭打ちになるか、状況によっては衰退に転じる恐れもあります。それまでに各ショップが、どれだけ基板を作っていられるかが成功を左右するのではないでしょうか。 繰り返しになりますが、ECは売上より利益。また、顧客は量より質です。いくらリストの数が多くても、新規顧客の獲得を繰り返しているだけでは必ず限界がくるので、どれだけ多くのリピート顧客に支えてもらえるか。この2点に早く気づき対策を打てれば、2020年を超えても生き残る確率はうんと上がるでしょう。 これから5年で、小さな成功をどれだけ積み上げていけるかが、分かれ道になると考えています。

 

(聞き手:公文 紫都)

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■プロフィール 高崎 青史(たかさき せいじ)氏 株式会社Eストアー取締役

■URL:株式会社Eストアー 1999 年創業時にEストアーにジョインし、マーケティングを担当。 市場シェアNo.1のポジショニング確立や上場等に貢献。 その後、SEM系で最初に上場を果たしたアウンコンサルティング株式会社や KDDI子会社の株式会社mediba等に勤務し、 2007年にマーケティング専門会社のプレシジョンマーケティングを設立。 2011年に株式会社Eストアーの役員に就任し、直近は、大手企業を中心に、 Eコマースの戦略支援や各種運営代行に注力。 著書:リスティング広告プロの思考回路 ======================================

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