2026.08.26 通販支援
食品EC支援のリーディング企業が描く「TikTok Shop」を軸とした新戦略
「TikTok Shop」の登場により、食品ECは従来の検索型から、動画やライブ配信を通じて「商品を発見してその場で購入」する流れへと移行しつつある。その最前線で成果を収めているのが、食品ECに特化した支援事業を展開するGastroduce Japan。「TikTok Shop」の公式支援パートナー(TSP)としてサポートする店舗群の月間流通総額が3.5億円を突破(2026年7月末発表時点)し、破竹の勢いを見せている。同社の若松友貴社長に、食品ECの現状と今後を聞いた。
食品ECと好相性の「TikTok Shop」
――まずは貴社の紹介からお願いします。
若松友貴氏(以下、若松):創業以来、「事業者と共に食の未来を切り拓き、人々に幸福を創造する。」をミッションに掲げてきました。私の前職は「楽天市場」の食品専門コンサルタントですが、その当時から感じていたのが、素晴らしいポテンシャルを持ちながら、利益を上げられないクライアント様がとても多いことです。そうしたクライアント様を正しい方向へ導きたいという思いが、当社の原点です。
当社は松屋フーズ様と合弁会社のモールハックを設立し、松屋フーズ様が培ってきた受注体制や低温物流体制などと、当社が得意とするウェブ制作や広告運用、SNSマーケティングを提供しています。両社がタッグを組むことで、集客から販売、配送までの全工程をサポートしています。
これまでに、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」をはじめとする各ECモールへ取り組みを広げてきましたが、最近では「TikTok Shop」での取り組みに注力しています。
Gastroduce Japan 代表取締役社長 若松 友貴 氏
――「TikTok Shop」での取り組みを重視している理由は?
若松:「TikTok Shop」の特性が食品分野に合致していて、食品ECに特化している当社も戦うことが可能と判断しました。これに加え、他社に先駆けていち早く参入できたことも、注力する大きな要因です。
「TikTok Shop」は動画やライブ配信を通じて、ユーザーが魅力的な商品と出会い、その場で購入を完結できる市場です。テレビショッピングのビジネスモデルに近いものがあり、食品を売りやすいと思います。
食品の販売は、視覚・聴覚による訴求が重要となります。静止画のバナー広告を回すだけでは、商品のおいしさや作り手のこだわりを伝えることに限界がありますよね。
これに対し、動画やライブ配信によって、例えばバームクーヘンが焼き上がる様子やスープが湯気を立てている様子を見てもらえば、お客様の購入意欲はぐっと高まることでしょう。
一例を挙げると、「TikTok Shop」での取り組みを始めたころ、下町バームクーヘン様の商品が大ヒットしました。これはクリエイターが動画を作成し、商品を紹介したことによる成果です。
アフィリエイトマーケティング×広告運用
――2026年7月末、TSPとして月間流通総額が3.5億円を突破したと発表されましたが、急成長を遂げた要因は?
若松:その前提として、当社には「楽天市場」食品ジャンルの元ECコンサルタントが在籍しているという強みがあります。どの時期にどのような商材が売れるのか、最適な価格設定はいくらか、といった細部を熟知しています。つまり、マーチャンダイジングの土台ができているわけです。
多くの運用代行会社では、SNSのフォロワーの伸ばし方は知っていても、マーチャンダイジングの土台は強固ではありません。例えば、価格戦略やスマホ画面でクリックされやすいサムネイルなど、ECに最適化された商品設計がなければ、多額の費用をかけてインフルエンサーに動画を拡散してもらっても、なかなか購入につながりません。
これに対して当社は、食品ECで売上を伸ばすための土台をクライアント様と一緒に構築することが得意です。強い土台があるからこそ、適切なプロモーションを掛け合わせて売上を拡大することができます。
――具体的にどのようなサポートを提供しているのですか?
若松:当社では、アフィリエイトマーケティングと広告運用の掛け合わせを実行しています。食品に特化したクリエイタープラットフォーム「FOOD FORCE STUDIO(FFS)」で、1000人以上の食品系クリエイターをネットワーク化し、アフィリエイターとして動画やライブ配信で商品を紹介してもらう仕組みを構築しています。
新規顧客を獲得するフェーズでは、アフィリエイトクリエイターにアプローチしてもらって、売上のベースを作ることが優先されるでしょう。
しかし、実績が積み上がったクライアント様では、膨大な数のフォロワーに継続的にアプローチしながらリピーターに育てていく施策として、自社ライブ配信も必要になってくると考えています。
――そうした需要も念頭に置いて、ライブ配信スタジオの設置に力を入れているのですね。
若松:既に福岡・東京・大阪の3拠点に、本格的なライブ配信スタジオを完成させました。各スタジオでは、その場で調理して、出来立ての料理を視聴者へ届ける演出が可能です。
さらに、特に力を入れて取り組んできたのが、スタジオを飛び出して現地から生中継する「出張・現場ライブ配信」の仕組みづくりです。例えば、沖縄の海ぶどう養殖所や洋菓子の製造工場など、生産・製造現場に直接出向きます。生産者や職人へのインタビューを交えながら、現地から商品の付加価値や魅力を伝えて販売するという取り組みです。
「出張・現場ライブ配信」を推進するため、実演販売士として活躍しているプロとタッグを組んで、彼らを現地に派遣して配信する体制を整えました。今後、ふるさと納税が「TikTok Shop」に本格参入することも想定されることから、この配信モデルは差別化につながると考えています。
マルチチャネル展開の仕組みを構築へ
――「TikTok Shop」市場の今後の見通しは?
若松:順当に行けば、市場は伸びていくでしょう。海外に目を向けると、中国はすでに70兆円規模に達しています。また、インドネシアでは1兆円規模に成長し、タイやフィリピンも5000億円規模を超えたことを考えると、日本も同等の水準にまで伸びると予想しています。
――今後の取り組み予定をお聞かせください。
若松:まずは、アフィリエイトマーケティングをより強固にしたいですね。これに加えて、マルチチャネル展開の仕組みを構築する予定です。
ここ最近の動きとして、「TikTok」上に、ほかのSNSへ誘導できる機能が付加されました。「TikTok Shop」向けのショート動画やライブ配信は、インスタグラムなどでも販促効果を発揮しますので、アフィリエイトマーケティングを軸に据えつつ、「TikTok Shop」だけでなく、インスタグラムやYouTube、さらには「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」といった各ECモールへの送客も含めたマルチチャネルの仕組みを構築していきます。そのために社内に専門チームを立ち上げて、準備を進めているところです。
Gastroduce Japan 代表取締役社長 若松 友貴 氏
――越境ECへの取り組みはいかがでしょうか?
若松:当然ながら、今後の取り組みとして越境ECを外すことはできません。日本の食は世界的に見ても極めて強いコンテンツで、海外での需要は大きいですね。当社では、消費者に評価される商品を日本国内で作り込んだ上で、北米市場を皮切りに、海外諸国へ展開していくという構想を練っています。
まずは、米国の「Amazon」や「TikTok Shop US」といったプラットフォームを通じて、現地のインフルエンサーと連携しながら、日本の素晴らしい食品を提供していきたいですね。日本の食品を海外に届ける事業は、ここ2~3年で重要になると位置づけています。
――最後に、「TikTok Shop」に挑戦すべきかどうかと悩んでいるクライアント様に向けて、アドバイスをお願いします。
若松:自社で商品をお持ちであれば、「TikTok Shop」は初期費用や月額固定費が発生しないため、他モールと比べて参入障壁は低いといえます。まずは試してみてはいかがでしょうか。
アフィリエイトマーケティングや広告運用も基本的に成果報酬型のため、クライアント様にとってリスクが低く、取り組みやすい環境が整っています。ぜひ、チャレンジしてください!
――ありがとうございました。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
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