2024.03.11 行政情報
通販会社が知っておきたい「ナンバーワン表示」の留意点とは?…異例の“短期集中”景表法違反事件を振り返る(前編)
インターネット通販で定番の広告手法となったナンバーワン表示だが、不正な表示が後を絶たない。そうした状況に対し、消費者庁と公正取引委員会は2月下旬から3月上旬にかけて、全国各地でナンバーワン表示に対する景品表示法に基づく行政処分を行った。通販会社が押さえておきたいナンバーワン表示の留意点を確認する。
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客観的な調査をせずにウエブサイトでナンバーワン表示…SCエージェントに措置命令
家庭用蓄電池のナンバーワン表示が景表法に違反…エスイーライフに措置命令
“撲滅キャンペーン”の様相
2月27日の新日本エネックスと安心頼ホームの景表法違反事件を皮切りに、消費者庁と公取は全国各地で不正なナンバーワン表示について行政処分を行った。29日にフロンティアジャパン、3月1日にエクスコムグローバルと飯田グループ5社、5日にエスイーライフ、7日にはSCエージェントに対する処分が発表された。
短期間に、これだけの数のナンバーワン表示に対する行政処分が出されたのは前代未聞。これに加え、記者発表の場所も福岡・札幌・東京・名古屋・大阪と、さながら全国行脚の様相となった。
消費者庁と公取による“不正ナンバーワン表示撲滅キャンペーン”という見方もできそうだ。
イメージ調査によってナンバーワンをうたう
今回の一連の事件に共通するのは、客観的な調査を行わずに、「イメージ調査」の結果を用いてナンバーワンとうたっていたこと。
客観的な調査とは、例えば、自社商品や比較対象とした競合商品を実際に使用した人を対象に、満足度などを質問するというもの。これに対し、問題となったイメージ調査とは、各企業のサイトを見て印象を聞くだけという内容。
1例を挙げると、エスイーライフの景表法違反事件では、家庭用蓄電池について、同社や競合他社の商品・サービスを実際に利用したかどうかを確認せずに、同社を含む10社のウエブサイトの印象を質問するという手法だった。それにもかかわらず、「保証・アフターサポート満足度 第1位」などとうたっていた。
商品の使用経験も問わずに調査し、「満足度 第1位」とうたうこと自体ナンセンスだが、そうした表示が横行し、一般消費者の商品選択に影響を与えているのが現状だ。
また、行政処分を受けた海外Wi-Fiレンタルサービスのエクスコムグローバルでは、調査時に「最初に自社サービスについて質問させていた」(消費者庁表示対策課)という。イメージ調査を行う際に、同社を先頭に置き、各社のサイトの印象を順次質問していくという手法だった。これは、同社に有利に働くことを狙ったものとみられる。
「客観的な調査」「適正な引用」の2要件が原則
ナンバーワン表示については、公取の「No.1表示に関する実態調査報告書」や、消費者庁の「比較広告に関する景品表示法上の考え方(比較広告ガイドライン)」で留意点を説明している。さらに、消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」にも、2022年12月の改正により、ナンバーワン表示の留意点が追加された。
ナンバーワン表示を検討している通販企業では、これらのガイドラインを順守することが求められる。
「No.1表示に関する実態調査報告書」は、ナンバーワン表示で顧客満足度、商品・サービスの内容、入学試験の合格率・合格者数、商品の効果・性能に関するものは、優良性を直接示し、一般消費者の商品選択に与える影響が大きいと指摘。
不当表示とならないためには、(1)ナンバーワン表示の内容が客観的な調査に基づいていること、(2)調査結果を正確・適正に引用していること――の両方を満たさなければならないとしている。
調査対象者が無作為に抽出されていない場合、調査対象者数が統計的に十分でない場合、自社に有利になるような調査項目を設定するなど公平性を欠く場合には、客観的な調査に該当しないことになる。
(つづく)
(木村 祐作)
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