2023.05.01 行政情報
消費者庁、電子メールでの書面交付・電話勧誘販売の新規制で説明会
特定商取引法の改正により6月1日から、訪問販売などの申し込み書面や契約書面が電子メールでも交付できるようになるため、消費者庁は28日、事業者向け説明会をオンラインで開催した。

想定される手続きの流れ(消費者庁の説明資料より)
想定される手続きの流れ(消費者庁の説明資料より)
消費者の承諾がない場合は紙で交付
書面の交付義務があるのは、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供などの6つの取引。
訪問販売や電話勧誘販売などの事業者は、契約内容を記載した「契約書面」と、申し込み内容を記載した「申し込み書面」を購入者に交付しなければならない。6月1日からは、紙の書面だけでなく、電子メールで提供することも可能となる。
電子メールで提供するには、事業者は事前説明によって消費者の承諾を得ることが必要。消費者の承諾がない場合は、紙の書面を交付する。こうした手続きに不備があれば、書面を交付したとみなされず、書面交付義務違反として行政処分を受ける。
最大径4.5インチ以上が要件
電子メールで交付できるのは、日常的にパソコンや最大径4.5インチ以上のタブレット・スマホを使用している消費者が対象。書面の提供方法は電子メール、SNS、ウェブサイトからのダウンロード、USBメモリ・DVDなど。
電子メールが消費者に届いた時点から8日(連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日)が経過すると、消費者はクーリング・オフができなくなる。
事業者には、(1)消費者がパソコンやスマホを使い慣れているか、(2)OSのサポートが終了していないか、(3)家族などの第三者に送信するか――の確認も求められる。
「承諾を得たことを証する書面」の交付を義務づけ
電子メールによる交付だと、契約したことを家族が気づきにくく、被害が拡大しやすいことから、「承諾を得たことを証する書面」の交付を義務づけた。「承諾を得たことを証する書面」は原則、紙媒体としている。
定期購入契約の勧誘も電話勧誘販売に該当
電話勧誘販売の新たな規制についても説明が行われた。6月1日から、テレビショッピング番組や新聞広告、インターネット広告を見て、注文の電話をかけた消費者に対し、広告にない商品を紹介するような行為を電話勧誘販売と位置づける。
電話勧誘販売に該当すると、事業者は書面の交付義務を負うとともに、消費者はクーリング・オフを行使できる。
「広告にない商品を勧誘すること自体が禁止されるものではなく、そのような勧誘行為によって申し込みを受け、契約を締結した場合には電話勧誘販売に該当するというもの」(取引対策課)と説明した。
電話勧誘販売に当たるかどうかは個別案件ごとに判断されるが、「(事前に)商品の種類や勧誘目的をCMなどで告げていることが必要。単品のみを宣伝していて、電話で定期購入を勧誘することも、不意打ち性の観点から電話勧誘販売と整理されることが適切」(同)とした。
(木村 祐作)
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