2022.12.22 行政情報
景表法改正の方向性まとまる、来春の国会へ法案提出
消費者庁の「景品表示法検討会」は22日、景表法の改正に向けて、確約手続きの導入や悪質業者に対する規制強化を柱とする報告書を取りまとめた。一部を修正後、年明け後に公表する予定だ。これを受けて、消費者庁は景表法の改正案を策定し、来春の通常国会への提出を目指す。

検討会で挨拶する河野太郎消費者相(中央、22日午前)
検討会で挨拶する河野太郎消費者相(中央、22日午前)
確約手続きは企業名など公表へ
確約手続きは、行政と事業者が合意して、事業者が自主的に表示を改善する取り組み。独占禁止法で導入されている。
報告書は、景表法にも確約手続きを導入すべきと提言。その理由として、景表法には行政処分と行政指導(企業名などは非開示)しか選択肢がないこと、事案の増加や課徴金への対応で調査が長期化していることを挙げた。確約手続きの導入により、不当表示への対応を迅速化できると指摘している。
確約手続きの運用方針については、法案の成立後、ガイドラインで示す。報告書では、独禁法を参考に、悪質なケースを確約手続きの対象から除くことや、企業名・概要を公表する方向性が示された。消費者への返金措置については一律に義務化することが困難なため、「有益である」にとどめた。事案ごとに、事業者と消費者庁の間で詰めることになりそうだ。
また、課徴金制度の返金措置を利用する事例がほとんどないことから、返金に電子マネーも使用できるようにする考えを盛り込んだ。現金以外の支払い手段を設けることで、返金措置の利用増を狙う。
課徴金の割り増し算定率、個人に対する行政処分…悪質業者への対策を強化
報告書は、悪質業者に対する規制強化を提言した。不当表示を繰り返す事業者に対し、課徴金の割り増し算定率を適用する。課徴金の調査で売上を報告できない事業者が存在することから、合理的な方法で推計できる規定の導入も盛り込んだ。
健康食品や化粧品などの販売会社の中には、行政処分を受けると企業名を変えて、不当表示を繰り返す事業者も散見される。そうした実態を踏まえて報告書は、個人が実質的に不当表示を行っている場合、個人を「事業者」と認定して、措置命令や課徴金納付命令の対象とするように求めた。
さらに、景表法に「直罰」規定を導入する方針も示された。刑事罰の活用により、悪質業者への抑止力を見込んでいる。
一方、特定適格消費者団体が起こす裁判で、景表法による行政処分で消費者庁が作成した書類を特定適格消費者団体へ提供するという施策については、業界側の反発が強く、見送る方向とした。
(木村 祐作)
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