2021.08.10 調査・統計
産直EC活用の20年農産物流通額、20倍の40億円に…コロナ禍で流通多様化
産直ECプラットフォームを活用した農産物流通額は40億円――。総合マーケティングビジネスの(株)富士経済はこのほど、道の駅などの直売所を除いた市場外流通で、ICTを活用して生産者と消費者を直接つなぐ、新たな「産地直結型農業ビジネス」の国内市場を調査し、発表した。コロナ禍を背景に、2020年の流通額は前年比20倍に達していた。

農産物流通ビジネスなどの11社のサービスが対象
調査は4~6月。ECプラットフォームを活用した農産物流通ビジネスをはじめ、調査対象とした11社が展開する注目の産地直結型農業ビジネスによる農産物流通額を捉えた。対象は「産直ECプラットフォーマー」の、ビビッドガーデン、USEN、ポケットマルシェ、やさいバス、レッドホースコーポレーション、Heart Ful。「産直テック関連事業者」としてオイシックス・ラ・大地、農業総合研究所、バリュードライバーズ、クックパッド、プラネット・テーブ。
農産物は生産者が農協や出荷団体に出荷し、卸売市場や直売所を経由して販売されるのが主要な流通ルートだが、新たな市場外流通ビジネスが活発化し、流通ルートが多様化。生産者は販売チャネルの、消費者や飲食店は購入先の選択肢が増えている。
生産者は新たな販路拡大でECサービスを活用
コロナ禍を背景に、生産者は新たに販路を拡大するため、消費者は家での食をより楽しむため、ECサービスを活用し始める動きがあることから、ますます市場外流通は増加するとみられる。今後は流通に携わるプレーヤー同士の連携やアライアンスなどが進むとみられる。
11社が展開するビジネスによる農産物流通額は、国内の農産物総流通額の1%未満と小さいが、20年はコロナ禍に伴って販路が狭まった生産者、ステイホームで外食の機会が減少した消費者による利用がともに急増し、大幅に拡大した。中でも、オイシックス・ラ・大地をはじめとした宅配ミールキットや、産直ECプラットフォームによる流通額が増加した。
「ビビッドガーデン」「ポケットマルシェ」などのサービス充実化で流通額が大幅増
特に、ECを活用し、生産者から消費者などの購入者に農産物を直接配送する産直ECプラットフォームの伸びが注目される。プラットフォーマーであるビビッドガーデンやポケットマルシェなどが個人消費者向けのサービスを充実させたことにより、20年の流通額は前年比20倍の40億円となった。
今後、市場の伸びは緩やかになるものの、新たな産地直結型農業ビジネスを併用する生産者が増加し、徐々に定着していくと予想。また、消費者もこだわりのある農産物への需要やハレの日の利用のほか、レシピ付きでの販売や生産背景をストーリーとして楽しむコト消費としての需要により、利用者数は増加していくとみられる。これらから、新たな産地直結型農業ビジネスによる農産物流通額は拡大すると予想される。
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