2021.01.19 調査・統計
19年国内ウォッチ市場、ECが好調で3年連続のプラス成長
(株)矢野経済研究所がこのほど発表した国内の時計市場調査の結果によると、2019年のウォッチ(腕時計)市場は、富裕層の購買とインバウンドの2大需要により、3年連続のプラス成長で推移。特に空港商業施設とECが売上拡大に寄与していることが分かった。ただ、コロナ禍の20年は減少を予測。以降もECや海外拠点の強化などが重要としている。
消費税増税後の買い控えも、ブランドで明暗分かれる
(一社)日本時計協会がまとめた19年の市場規模は、小売金額ベースで前年比108.0%の8867億円。同研究所によると、要素は日本人富裕層の旺盛な購買とインバウンド需要だが、消費税率引き上げに伴う景気の先行き不透明感が強まり、買い控えの影響を受けた企業も多く、ブランドの二極化が進んだ。百貨店はブランド力の高いメーカーがけん引して好調だったが、トップブランドの取り扱いが少ない専門店は苦戦するなど売り場も両極化した。
好調な販売チャネルは空港商業施設とインターネット販売(EC)。特に商業施設化が著しい空港では、インバウンド需要だけでなく日本人をターゲットとしたトラベルバッグ、スーツケース、文具などのブランドが出店を強化したことにより、ウォッチ販売も好調に推移した。
「ミレニアル世代」が流行を左右する存在に
注目は「ミレニアル世代」。富裕層のような購買力はないが、この世代に支持されたブランドは旬のウォッチブランドとなり、本来の購買力ある客層に拡散する波及効果が見込める。若い世代に受け入れられるブランドでなければ将来はないともいえ、ミレニアル戦略は顧客層の若返り戦略でもある。コラボ商品の発売やデジタルコミュニケーションの強化により、同世代への発信を継続し、ウォッチブランドとしての存在感を示すことが重要としている。
一方、20年の国内ウォッチ市場は、新型コロナウイルスの影響により、これまで好調だったインバウンド需要が消失するなど厳しい状況に直面。同研究所は19年比15.5%減となる7490億円を予想している。先が⾒通せない状況が続くが、いち早くデジタルシフトに舵を切った企業や、SNSや会員組織によりファンとのコミュニケーション構築を強化する企業なども存在し、前を向いた新しい取り組みが推し進められている。
今後は、オンラインでのイベントや接客やEC強化など、リアル店舗に負けない価値、あるいは創造できない価値を提供することが鍵となるとした。そのためOne to Oneでのコミュニケーションなど、顧客と直接かつ頻繁につながる接点を作っている企業への注目度がより高まってまっていくものと考えられる。さらに、国内メーカーはインバウンド需要が見込めない中にあって、海外拠点の強化がより重要になってくるとしている。
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