2018.06.28 行政情報
ネット通販に物価押し下げ効果、アマゾンの輸送距離短縮も影響
日本銀行の調査統計局がこのほど発表したレポート「インターネット通販の拡大が物価に与える影響」で、2017年は、ネット通販の拡大によって、小売業との競争が強まっている日用品、衣類などを中心に消費者物価全体をー0.3%、押し下げる影響があったことがわかった。
ネット通販は店舗より13%オフ?
また、オンライン価格と実店舗の価格の比較では、2017年に発表された「American Economic Review」による調査結果によると、日本では、ネット通販で販売されている商品が実店舗で販売されている商品より13%の割安になっていることがわかった。同調査はサンプル数が2186件で、オンライン価格が実店舗価格より低いのは、日本が45%、米国は22%、ドイツは23%で、10カ国の平均は18%となった。
日本は海外と比較してネット通販価格の割引率が高いが、これは実店舗の調査対象がビックカメラ・ケーズ電気・ローソン・ヤマダ電機と、家電に偏っている可能性があり、物販全体の数字はここまで差が開かないとも考えられる。
輸送距離短縮がコスト競争力を高める?
日銀は、通販会社の物流整備が進み、物流コストが削減されてきていることも、販売価格の低下につながっている可能性を指摘。国内にあるアマゾンジャパン合同会社の配送センターの立地状況から、購入者への平均輸送距離を過去10年間と比較すると、多くの地域で輸送距離が短縮されていることがわかる。(写真参照)
アマゾンでは配送センターの整備が急速に進んでいるが、近年では、他のネット通販企業を含めた倉庫の建築が急増していることもあり、日銀では輸送距離の短縮が通販企業のコスト競争力を高めていると指摘している。
ネット通販拡大が物価押し下げの圧力に
ネット購入比率の上昇幅と推計されたパラメーターをもとに消費者物価に対する物価の押し下げ圧力を定量化すると、総合ネット通販では-0.3%程度、生鮮食品・エネルギーでは-0.1%から-0.2%程度の物価押し下げ効果があるとした。日銀では、物価押し下げ効果についての数値は、データのサンプルも少なく、単純な推計であることなどから、「相当の幅を持ってみる必要がある」としつつも、「ネット通販の拡大が物価に対して一定の押し下げ圧力をかけているとう見方は妥当性があると考えられる」とまとめている。
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