2018.03.15 ECモール
楽天のクラウドソーシング「楽天超ミニバイト」の狙いとは?
楽天(株)は3月2日から、すぐに回答できるアンケートなどの簡単な作業を楽天会員に依頼できるクラウドソーシングサービス「楽天 超ミニバイト(以下、超ミニバイト)」を開始した。ユーザーは楽天のポイントアプリ「スーパーポイントスクリーン」上に表示される簡単な作業を行えば、「楽天スーパーポイント」を得ることができる。企業側は同サービスを利用すればマーケティング調査や事務作業を低価格・短期間で実施できるほか、楽天市場出店者であればタスクから自店舗への誘導ができるなど、メリットも大きい。楽天は、「超ミニバイト」によって「ポイント」と「楽天市場」の活性化を図る目的があるようだ。本稿では、「超ミニバイト」がEC事業者やユーザーにもたらすメリット、さらには楽天の狙いまでをひも解く。
好印象な画像を選ぶABテストなど、超簡単作業でポイント獲得
「超ミニバイト」は、スキルや時間を要する「クラウドソーシング」や「リサーチ」サービスとは一味違うサービスなのだと言う。
楽天の「超ミニバイト」担当者である福田英士シニアマネージャーは「画像のABテストで、どちらか好きな方を選ぶだけの作業や、アンケートを答えることによってポイントを得られる」と話す。『マイクロタスク』などと呼ばれるようなすぐに完了する簡単な作業が、お小づかいアプリ「スーパーポイントスクリーン」上に表示され、楽天会員はタスクをゲーム感覚でこなすことでポイントを得ることができる。
「スーパーポイントスクリーン」は100万DL突破
会員は一回のタスクをこなすと数ポイントほどが付与され、1日にこなせるタスク量には上限が設けられている。「楽天超ミニバイト」の担当者である南部久美氏は「簡単な作業をコツコツやってもらうことによってポイントを獲得し、そのポイントは楽天グループのサービスで消費してほしい」と、楽天経済圏での相乗効果に期待をかける。
同アプリは15年7月にリリースされ、18年1月までにダウンロード数が100万を超えているという。
楽天市場の出店者はタスクから自店舗への誘導も可能
企業側が「超ミニバイト」に仕事を依頼するメリットとしては「楽天会員というセグメントされたターゲットに向けて作業を依頼できること」(福田氏)だと話す。例えば「通販サイトに掲載する商品画像や広告クリエイティブのABテストを行うことができる。楽天市場に出店している店舗であれば、普段から楽天市場で買い物をしている人に作業をしてもらえるのは大きなメリットではないか」(同)と話している。
さらに、楽天市場の出店者については依頼するタスクから自店舗へ誘導することもできる。「楽天市場のお店のPR」にもなるのだ。
楽天会員という属性から、さらにターゲットをセグメントしてタスク処理をしてもらうことも可能だという。「例えば、会員ランクや性別、年齢、子供の有無、車所有の有無などかなりセグメントされた楽天会員のアプリ上に、最適なタスクを表示させることができる」(南部氏)からだ。楽天市場に出店している店舗が「超ミニバイト」にタスク依頼するメリットはかなり大きいと言えるだろう。
「超ミニバイト」は一般法人向けのサービスなので、楽天市場に出店していない企業も仕事を依頼することは可能だ。
データ仕分けやチャットボット学習などすでに事例も続々
楽天では、17年4月から「スーパーポイントスクリーン」上で楽天市場の商品のタグ付けの正確性などを調べる簡単なアンケートなどを実施しており、活用事例や成功事例も出てきている。
AI(人工知能)と人的タスク処理併用のデータ仕分けタスクを行なった事例では、約100万商品のデータ仕分けを2日ほどで処理。コスト面については、過去実績の3分の1ほどまでに抑えることができた。
簡単な質問に答えることによってチャットボットの精度を高める作業では、約7万回答を6時間で収集した。
そのほか、テレビ映像の印象調査などに活用した事例もあるという。「超ミニバイト」を使えば「案件によりけりではあるが、目安としては既存のクラウドソーシングやアンケートリサーチサービスに依頼するのに比べてコストを半分くらいに抑えられる」(南部氏)と説明する。
ポイントによる楽天会員の囲い込みを加速へ
「超ミニバイト」サービスを楽天が展開する狙いは、ポイントによる楽天会員の囲い込みを加速させることにあるようだ。ある種「楽天スーパーポイント」自体の価値を高める施策でもあると言えそうだ。「楽天会員のポイントに対する関心を高めることができると思う。楽天市場をはじめとした楽天経済圏での購買を高められるのではないか」(福田氏)と期待感を示している。
楽天では今後の「超ミニバイト」の展望については「案件を増やすことにフォーカスしていく」(南部氏)としている。
(古川 寛之)
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