2019.5.20

18年EC市場、8.9%増の約18兆円も成長ペースは鈍化

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経済産業省が16日発表した2018年度の「電子商取引に関する市場調査」によると、2018年のBtoC-EC市場規模は、前年比8.96%増の17兆9845億円、EC化率は同0.43ポイント増の6.22%となった。市場規模は前年を超過したものの、伸長率は前年の9.1%増から0.14ポイント減少。2010年の調査開始以来継続していた10%以上の伸長に2年連続で届かず、一桁成長となったことで、経産省は市場規模の拡大ペースが緩やかになってきているという見方を初めて示した。

 

 

 同調査は、文献調査、企業ヒアリング調査、その他の調査(統計調査、企業のIR情報など)を並行して実施し、市場規模推計値を算出したもの。

 

 BtoC-EC市場規模のうち、物販系は同8.12%増の9兆2992億円、サービス系分野は同11.59%増の6兆6471億円、デジタル系分野は同4.64%増の2兆382億円だった。BtoC-EC市場規模のうち、スマートフォン経由の比率は、39.3%の3兆6552憶円となった。前年比で4.3ポイント増加した。

 

 

EC市場の成長鈍化、3つの理由とは?

 同調査では、直近2年間の伸長率で市場拡大ペースが緩やかになっていると判断した根拠について、「EC業界の価格競争の激化」「実店舗の充実」「オムニチャネルシフトによる『消費の最適化・合理化』」の3点を挙げた。

 

 米国で発表された「ネットと実店舗の価格差」に関する調査によると、日本は「ネットの方が安い」率が45%と、調査対象国の10カ国のうち、もっとも高かった。米国は22%、中国は7%と、日本が突出してネット通販の価格が安い状況になっている。

 

 

 この理由として、日本では簡単に類似商品の価格比較ができることから、価格競争が起きやすいと推測。取引回数は増加するものの、価格競争によって取引金額はその増加率と同じではないという現象が起きている可能性を指摘した。

 

 日本では大都市だけでなく各地方都市でも、生活環境の導線上に小売店舗が十分に存在しており、商品の特性や価格差によっては、敢えてネット通販を利用する必然性がないケースもある、としている。また、近年では実店舗とネットを併用する「オムニチャネル」戦略が進化し、EC系企業が実店舗を出店するケースも増加。ネットの普及で情報検索コストが低下していることから、消費者は情報を得るタイミングや場所などによって、実店舗・ネットを最適・合理化して使い分けているとし、通販・EC企業側もこの消費行動に対応して、実店舗やECにこだわらずにどのチャネルでも購入できる仕掛けを実施している。

 

 これらの観点から同調査では、EC市場規模の拡大ペースは、これまでと比較して緩やかになると推測した。

 

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