2018.11.8

楽天3Q増収増益、売上・利益は過去最高…携帯事業は順調

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楽天(株)が8日発表した2018年12月期第3四半期連結決算(1~9月)は、売上高に該当する売上収益が前年同期比16.8%増の7903億3000万円、営業利益が同11.1%増の1335億4400万円、四半期利益が同48.6%増の1079億2300万円となり、売上高と営業利益が過去最高を記録した。

 

先行投資などで第3四半期の営業利益は減少

 営業利益については、楽天損保が地震など災害の影響を受け51億円のマイナスを計上したほか、携帯電話事業への投資、物流関連の初期投資などに90億円をかけた影響で、第3四半期期間(7~9月)の営業利益(Non―GAAPベース)は前年同期比9.9%減となった。

 

「メンバーシップバリュー」は4兆円

 楽天エコシステム内で使用する複数のサービス数とLTVをかけあわせた指標「メンバーシップバリュー」は、当第3四半期で4兆円に上った。サービスのクロスユースによるLTVの拡大事例として、「楽天市場」から流入し、SPU(楽天スーパーポイントアッププログラム)から「楽天トラベル」や「楽天ブックス」を利用したユーザーは、LTVが6.2倍に拡大した。そのほか、楽天市場からの流入による「楽天カード」「楽天銀行」利用は、LTVが12.7倍に上った。第3四半期のクロスユース率は69.2%となった。同社では「メンバーシップバリュー」を10兆円に拡大することを目指している。

 

 

投資事業の利益は339億円

 インターネットサービスは、セグメント売上収益(Non―GAAPベース)が同15.2%増の5561億4200万円、セグメント損益は同10.7%増の920億4100万円となった。7月に実施したカンパニー制の再編により、新たにファンド運用などを管理する「インベストメント&インキュベーションカンパニー」を設立した関係でRakuten Capitalが投資する関連会社の株式評価益を計上。Viberなども好調で、投資事業の利益は339億円となり、楽天損保のコスト増や携帯事業・物流関連の投資をカバーした。

 

国内EC流通総額は12%増の9534億円

 楽天市場・楽天トラベル・楽天ダイレクト・ラクマなどを含む国内ECは、物量規制や配送量の値上げの影響を受けたが、クロスユースの拡大、楽天エコシステムのオープン化戦略などにより、売上収益(7~9月)は同5.2%増の1059億2400万円、営業利益(同)は同15.8%減の162億4100万円となった。国内EC流通総額(同)は同12.1%増の9534億円だった。また、ファッション分野では、テレビCMの放送や積極的なマーケティング施策により、「楽天ブランドアベニュー」の流通額が同94.9%増と、約2倍に拡大した。

 

 

FinTechも好調、キャッシュレス社会が追い風に

 FinTechは、セグメント売上収益(Non―GAAPベース)が同24.2%増の3026億9800万円、セグメント損益は同14.2%増の607億9500万円となった。「楽天カード」の会員拡大で手数料収入が増加したほか、楽天証券がSPUに参加したことによる取引増加などで、楽天損保を除き、それぞれの事業が増収増益となった。

 

 楽天の副会長執行役員でカード&ペイメントカンパニー プレジデントの穂坂雅之氏は決算発表の会見で、国がキャッシュレス化を推進していることについて「QRコード決済はトップシェアを持ちキャッシュレス決済の拡大は追い風になる」と話した。また、ペイメントプラットフォームの成功条件に「ID」「ポイント」「加盟店」の3つを挙げ、「楽天は大きな要素の3点を含め、(キャッシュレス社会に)必要とされるサービスはすべて持っている」(穂坂氏)と語り、今後のキャッシュレス社会での事業拡大に自信を見せた。

 

携帯事業は「実績あるベンダー」との連携体制を確立

 携帯事業は、KDDIとローミング協定を結ぶなど、サービス開始に向けて順調な歩みを見せている。投資額は当初の6000億円を下回る見通しとなった。また、新たに連携するベンダーを発表。楽天の副社長執行役員コミュニケーションズ&エナジーカンパニー プレジデントの山田善久氏は「実績のあるベンダーと組むことができた」と話した。

 

 自社ネットワークの構築については、楽天グループ全社を挙げて、基地局の設置に取り組んでいる。現在は数100人単位のメンバーを投入し、不動産オーナーらと基地局設置の交渉を進めている。

 

 携帯電話の使用料については「期待されているので、その期待に応えられるような価格戦略で参入したい」(山田氏)とも語り、他社の価格は意識せず、ユーザー視点での価格設定をする意向を示した。

 

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