2018.9.18

今年の「独身の日」はどうなる?傾向と7つの対策を解説

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中国市場のマーケティングで豊富な実績を持つ(株)トレンドEXPRESSはこのほど、中国最大のECイベント「独身の日(11月11日)」の攻略セミナー「今から間に合わせる!W11(独身の日)攻略セミナー」を開催した。

 

 

(株)トレンドEXPRESSの濵野智成社長

 

 

「W11」7つの対策を提言

 同セミナーでは、同社の濵野智成社長が昨年のW11の結果と傾向や6月18日に開催されたセールイベント「618」商戦の結果から、今年のW11の戦い方について解説し、「7つのW11対策」を提言した。

 

 

 

 

そもそも「独身の日」(W11/双十一)とはどんなイベントなのか?

 「独身の日」と呼ばれるECイベントは、どのようにして中国最大のECイベントになったのだろう。同セミナーではまず、W11(中国名:双十一)の成り立ちを説明。W11は、「11月11日」と1が重なることから、大学生から自然発生したイベントで、パーティーやお見合いの開催、プレゼントを贈る文化が醸成された。アリババがこの新たな慣習を、2009年にECイベントにして販促を仕掛け、やがて中国最大のECの祭典に成長した。濵野氏は「W11は今では、世界各国から商品が集まり、中国だけにとどまらないグローバルなEC祭典になっている」と話した。

 

 

 

 

売上実績は「Tmall(天猫)」だけで2.87兆円

 17年のW11の売上実績は、総額で5兆円を突破し、世界再最大の消費イベントとなったが、その内訳を見ると、「Tmall(天猫)」が2.87兆円、「JD(京東)」が2.17兆円、「VIP(唯品会)が1.36億円、「KAOLA(網易)」が前年比4倍以上となっている。特に売上NO.2の京東は前年比3倍の売上を記録し、天猫を射程距離に捉えている。

 

 天猫と京東で、昨年のW11に売れた商品のカテゴリー別シェアは、「3Cデジタル、家電」が35.7%の1兆5402億円でトップとなった。2位は「アパレル・雑貨」(23.7%)で1兆217億円、3位が「家庭内装飾品、自動車関連」(11.3%)で4879億円だった。

 

 

 

 

ユーザーがセール情報を吟味する傾向に

 昨年のW11と今年のセールイベント「618」では、「いかに面白い企画でプラットフォームにユーザーを呼び込むか」「いかに割引を適用させるか」という2つの大きな共通点があり、濵野氏は今年のW11について、「スーパーの割引チラシのように、ユーザーが『お気に入りの商品』を『どこで一番安く買えるのか』吟味する流れになる」と分析した。

 

 年に1度のビッグセールでお買い得にショッピングをするために、ユーザーはクーポンやタイムセールといったお得な情報をECサイトを横断してチェックするなど、多くのセール情報に目を配らせる傾向があるという。

 

 

 

絞り込み、シンプルさ…マーケの基本が有効に?

W11でやるべき7つの施策とは?

 このような今年のW11の傾向から、濵野氏は(1)注力商品(スター商品候補)を決める、(2)注力商品のターゲットや訴求点を明確にする、(3)注力する店舗を決める、(4)注力店舗や注力商品の認知獲得に注力する、(5)割引やキャンペーン内容をシンプルにする、(6)適切にモール内・外に広告を投下する、(7)スケジュール別に広告投下を明確にする、という7つのやるべきことを提言した。

 

注力商品(スター商品候補)を決める

 「注力商品(スター商品候補)を決める」は、マーケティングの基本原則である「絞り込み(フォーカス)」を実施すること。1つの商品をスター製品に育てれば、その製品を気に入ったユーザーが他の製品を購入するようになり、多角的な展開ができる。複数の商品を並列に扱って販売すると、どの製品も中途半端に終わってしまう可能性もある。

 

注力商品のターゲットや訴求点を明確にする

 「注力商品のターゲットや訴求点を明確にする」とは、中国市場でのニーズを調査すること。日本で人気の天然・ミネラル成分を強みとする化粧品を展開するA社は、事前調査で「中国の女性は妊娠すると体への影響を考えて化粧をしないことから、天然ミネラル化粧品を探している」というニーズがあることを分析し、「妊婦でも使える安全・安心な化粧品」というコンセプトでPRしたところ、口コミが急拡大して売上が3倍になったという。

 

注力する店舗を決める

 「注力する店舗を決める」は、多チャンネルで展開すると、広告投資や運営・管理、消費者意識が分散してしまうことから、主力とするサイトを絞り込むこと。

 

注力店舗や注力商品の認知獲得に注力する

「注力店舗や注力商品の認知獲得に注力する」は、中国市場で売上を拡大するための大前提で、中国市場では偽物商品の購入を回避するため、中国の消費者は知らない商品・サービスは使わない傾向がある。このため、商品やサービスが認知されていないと消費者に選ばれない。

 

割引やキャンペーン内容をシンプルにする

「割引やキャンペーン内容をシンプルにする」は、中国の消費者が複雑化するキャンペーンに不満感を持っていることから、シンプルな割引やキャンペーンにすれば、受け入れられやすい。

 

適切にモール内・外に広告を投下する

「適切にモール内・外に広告を投下する」は、モールの内・外でブランディングを強化することで、指名買いに結びつけることができる。

 

スケジュール別に広告投下を明確にする

「スケジュール別に広告投下を明確にする」は、「情報収集期(9月)」→「予約販売期(10月)」→「イベント本番(11月11日)」→「W12への仕込み」(W12は12月12月に開催する別のセール)というプロモーションスケジュールごとに、適切なPRや広告投資を実施すること。

 

 

 

 

 これらの提言を含め、2017年のW11で成功した会社の共通点を紹介。また、W11で訪問客数が300%増、天猫旗艦店のファン数が400%増となった大手流通会社などの事例を公開した。

 

 また、認知度がまだない状態で、W11のセールに参加すべきかどうかについて、濵野氏は「参加するべき」と回答。理由として「W11自体が認知度を上げるチャンス。割引率を上げれば、注目度も高まる。長期的な視点で見る必要がある」とコメントした。

 

トレンドEXPRESS

(山本 剛資)

 

 

 

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