2024.06.24 行政情報
機能性表示食品制度の改正、届出ガイドラインの記載事項を全面的に法令化
紅麹問題を受けて、消費者庁は機能性表示食品制度を改正し、従来の届出ガイドラインによる運用から法令に基づく運用へと舵を切る。安全性対策だけでなく、有効性の科学的根拠も含むガイドライン上のほぼすべての規定を食品表示法に基づく食品表示基準(内閣府令)や告示に移行させる方針を固めた。
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景表法違反の疑義88件、撤回届出は61件にとどまる
これまで機能性表示食品制度の運用は、通知の届出ガイドラインに基づいて行ってきた。法的拘束力を持たないことから、安全性や有効性の科学的根拠に疑義が生じても、消費者庁は届出者に対し、届出の撤回を求めることができなかった。
消費者庁では事前チェックを行うものの、疑義があっても明確に指摘することは困難な状況にある。そのため、消費者庁と届出者の間で“禅問答”のようなやり取りも散見され、届出者からは「どの点がどうダメなのかがわからない」という不満も出ていた。
さらに、昨年6月30日の景品表示法違反事件は、制度の限界を突き付けた。この事件では機能性表示食品のサプリメントの有効性に関する科学的根拠が問われたが、違反した製品と同様の科学的根拠を用いた届出がほかにもあり、疑義は88件の届出に広がった。
しかし、疑義が生じた88件に対し、強制的に届出を撤回させることができないことから、消費者庁は届出者が自主的に撤回するように促すのが精いっぱいだった。消費者庁ウエブサイトに撤回状況と事業者名・商品名を公表するという苦肉の策を打ったが、その効果も限定的だ。
5月31日時点の状況を見ると、88件のうち撤回届出を提出済みは61件。残り27件については、事件から1年が経過した今も、機能性表示食品として販売できる状況が続いている。
このように、届出ガイドラインによる制度運用は事業者の“性善説”に立ったものとなり、それを逆手に取った届出者も少なくないようだ。
届出ガイドラインによる運用には限界も
紅麹問題をめぐり、安全性確保や製造管理の在り方が問題視されたことから、当初、制度改正も安全性対策などが射程とされてきた。それと同時に、届出ガイドラインによる制度運用には限界があると指摘する声も多方面から寄せられていた。
消費者庁は6月20日開催の消費者委員会食品表示部会で、有効性に関する根拠の評価方法についても、可能な限り府令や告示で定める方針を示した。届出ガイドラインによる運用から法令化による運用へと大きく舵を切る考えだ。
これは、届出ガイドラインに記載されている事項のほぼすべてを内閣府令・告示に移行させることを意味する。安全性確保や品質管理だけでなく、有効性も含めて、制度全般を法令化する方向にある。
取材に対し、消費者庁では「届出ガイドラインは通知にすぎず、不適切という指摘があった。このため、ガイドラインに書かれている事項をすべからく内閣府令または告示に落とし込む方向で検討している」と話している。
これによって、前述した景表法違反事件のようなケースに対応する場合も、必要に応じて強制的に問題のある届出を排除できるようにする。
2024年「骨太の方針」にも明記
制度開始から10年目を迎えたタイミングで紅麹問題が起こり、機能性表示食品に対する一般消費者の信頼は大きく揺らいだ。
今回の改正で全面的に法令化へ移行すれば、新・機能性表示食品制度へと生まれ変わる。政府が21日に閣議決定した2024年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」でも、「信頼性の高い機能性表示食品制度の構築に取り組む」ことが盛り込まれた。信頼される制度として再出発できるかどうかが注目されそうだ。
(木村 祐作)
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