2024.01.04 行政情報
押さえておきたい2024年行政動向のポイント(上)
2024年には、食品衛生業務の移管、食品表示制度の見直し、食品ロス削減のガイドライン作成など、通販業界にとって重要な取り組みが予定されている。今年の主な行政動向を3回に分けて報告する。
▽関連記事
ネット通販のダークパターンなど視野に「消費者法制」を抜本改正へ…消費者委員会の専門調査会が検討開始
食品衛生業務の移管に22億7000万円、52人体制で対応…消費者庁の来年度予算案
食品衛生業務を厚労省から消費者庁へ移管
今年4月1日、厚労省が所管する食品衛生業務が消費者庁へ移管される。消費者庁に「食品衛生基準審査課」を置き、厚労省から異動する49人を含む52人体制で対応する予定だ。
審議機能の一部も移管される。消費者庁内に「食品衛生基準審議会」を新設し、残留農薬や食品添加物、容器包装などの規格基準を審議する。消費者庁では今後、培養肉や保健機能食品などの調査研究も行う。業務移管に関する予算額は22億7000万円を予定している。
これに伴って、消費者委員会の「新開発食品調査部会」も消費者庁へ移すかどうかを検討している。新開発食品調査部会では特定保健用食品(トクホ)の機能性・安全性を審議する。「個別案件の業務であり、消費者庁に新設する食品衛生基準審議会の下に置かれる可能性もある」(政府関係者)という声も。しかし、方向性は固まっておらず、流動的な状況にあり、3月末まで調整が続く可能性もある。
食物アレルギー表示制度の表示推奨品目を変更
消費者庁は今年3月末までに通知「食品表示基準について」を改正し、食物アレルギー表示制度の表示推奨品目に「マカダミアナッツ」を追加する。同時に、表示推奨品目から「まつたけ」を削除する。
既に義務表示品目への追加を決定した「くるみ」については、経過措置期間を経て2025年4月1日から加工食品への表示が義務づけられる。このため、多くの企業が今年中に、商品パッケージを変更すると予想される。
3月末までに食品表示制度改正の方向性示す
消費者庁は昨年10月に「食品表示懇談会」を立ち上げ、食品表示制度の見直しに着手した。今年3月末までに見直しの方向性を取りまとめる。食品表示ルールの国際基準への整合化、デジタルツールを活用した情報提供の推進、個別品目ごとの表示ルールのシンプル化などについて見直しの方向性を示す。
これと合わせて、消費者庁では「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」で、栄養成分表示を加工食品の包装正面に記載する「包装前面栄養表示」の導入を検討中。こちらも今年3月に中間取りまとめを行う。「減塩」をはじめとする健康・栄養政策を念頭に、包装前面栄養表示の対象とする課題や、消費者が活用しやすい表示方法などを示す。
食品ロス削減、2024年度中に3つのガイドラインを作成
消費者庁では、食品ロス削減に向けて各種の施策を進める。主に、食品の寄附を促進する枠組みの整備、期限表示のルール改正、大阪・関西万博に向けた食品ロス削減実証事業などに取り組む。
食品の寄附を円滑にできるように、一定の管理責任を果たせる企業やフードバンクを特定するためのガイドラインを作成する。期限表示のルール改正については、加工食品の「賞味期限」を延ばす方向で、「食品期限表示の設定のためのガイドライン」を改正して対応。このほか、外食店舗で食べ残した食品の持ち帰りを推進するためのガイドラインも作成する。各ガイドラインは2024年度中に整備する予定だ。
「消費者法制」の抜本改正へ議論続く
昨年12月27日にスタートした消費者委員会の「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」では引き続き、消費者契約法や特定商取引法を含む「消費者法制」の抜本見直しに向けた検討を続ける。来夏までに結論を出し、消費者庁へ答申する。
デジタル化や高齢化の進展を背景に、悪質商法の手口が多様化し、現行の消費者契約法や特商法の改正だけでは解決できない状況にある。このため、インターネット通販のダークパターンや、消費者間取引のフリマサイトをめぐるトラブルなども視野に入れ、法体制を抜本的に見直す方針としている。通販業界にとって重要なテーマが俎上に上がると予想され、議論の行方に関係者の関心が集まりそうだ。
(木村 祐作)
(つづく)
▽関連記事
ネット通販のダークパターンなど視野に「消費者法制」を抜本改正へ…消費者委員会の専門調査会が検討開始
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
資料DLランキング
-
1
【楽天市場】RPP広告チェックリスト2025
-
2
【無料公開】食品EC「カオスマップ」2025 – 食品EC業界の最新動向
-
3
Amazon:販売数アップのためのSEOキーワード・販売戦略
-
4
機能性表示食品の体験談で注意すべきポイント ーひざ関節商材の事例で考えるー
-
5
あらためて整理!二重価格のルール 景表法の視点で読み解く正しい価格表示のポイント
ニュースランキング
-
1
「ショールーミング」経験者、東京6割・アジアの都市8割に
-
2
災害関連の消費者トラブル、ネット予約の「旅行」めぐり被災地以外でも…国民生活センター
-
3
すかいらーくHD、公式通販ショップで新生活応援セール
-
4
佐川急便も運賃値上げへ、飛脚宅配便は60円~230円追加
-
5
PBとは?メリット・デメリットや成功事例をわかりやすく解説!
