持続可能な農業・食料生産分野の研究や事業に期待

　就任にあたり、2019年2月に設置された東京カレッジの重要な研究テーマへ助言・支援すること、持続可能な農業と食料生産の分野で東大の研究者と共同研究や事業を実施することに期待を寄せている。任期は今年10月末まで。

　東京カレッジは、東大と海外の研究者や研究機関を結ぶ組織。「発見の喜び、知の力の共有」を活動の軸に据えて、「2050年の地球と人類社会」というテーマに中長期的に取り組んでいる。主な活動は卓越研究者の招聘、若手研究者の育成、共同研究など。

マー氏のビジネス経験と知見を共有

　東大では、起業・企業経営・イノベーションに関するマー氏の豊富な経験や知見を学生・研究者と共有することにも期待している。

　マー氏は、1999年にアリババグループを創設。99年から2013年5月までCEO、19年9月まで会長を務めた。

　14年にジャックマー財団を創設し、教育、起業、環境保護などの支援に注力している。また、国連の持続可能な開発目標（SDGs）の名誉提唱者、自然保護団体ネイチャー・コンサーバンシーのグローバル評議会メンバー、自然保護NPOパラダイス財団の共同会長を務める。