2023.04.27 通販会社
アスクル倉庫火災、段ボール回収業の宮崎に51億円の賠償命令…東京地裁
2017年2月に起きた(株)アスクルの物流センター(埼玉県三芳町)の火災は、段ボールなど再生資源の取引業者の過失によるものだとして、同社が損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁は26日、業者に約51億円の支払いを命じた。
「従業員は着火の可能性を予見できた」と認定する判決に
賠償命令を受けたのは、愛知県清須市の古紙回収業者(株)宮崎。宮崎はアスクルと再生資源の継続的な販売契約を結んでいた。火災の原因は、宮崎の従業員がフォークリフトで端材置き場での段ボール回収運搬作業の際、高温の排気管に段ボールが触れて着火した過失との主張に、判決は「従業員は着火の可能性を予見できた」と認定した。
火災は同年2月16日午前、物流センター倉庫1階の端材置場で発生した。爆発が起きるなどして消火活動が難航し、延べ床面積7万2000平方メートルのうち約4万5000平方メートルが焼け、鎮火したのは28日で、12日余りかかった。
最新鋭の戦略物流拠点の火災により損害が拡大
アスクルは、火災に関する消防作成の「火災原因判定書」を確認後、19年4月を初回として、宮崎と面談。生じた損害や火災原因の説明とともに、損害に対する宮崎の対応などについて複数回にわたって協議を重ねてきたが、誠意ある回答は得られず、協議による解決は困難と判断し、20年8月に宮崎に対して約101億円の損害賠償訴訟を提訴した。
請求額は、物流倉庫の全損や近隣住民に対する補償、火災対応のための人件費の投入、代替部流センター開設といった直接的損失のほか、販売機会の逸失などの間接的損失、及びその遅延損害金とした。
大規模火災に見舞われた物流センターは、アスクルが13年夏に稼働した一般消費者向けインターネット通販サービス「LOHACO」を支える戦略拠点の1つで、自動のピッキングロボットを試験導入している最新鋭施設だった。
宮崎「判決内容を精査して適切に対応」
宮崎は判決を受け「判決内容を確認、精査したうえで適切に対応して参ります」とホームページで発表。対応次第では控訴する可能性もあるとみられる。
また、「確定判決後に損害賠償金の一部が容認されることがありましても損害賠償金額の全額を損害賠償保険に担保される保険に加入しておりますことから、本判決が今後も業務に影響を及ぼすことはなく、現状のまま取引継続をお願いさせていただきたいと存じますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」とコメントしている。
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