「女性の睡眠の質を高める機能」をうたう

　商品名は『高濃度水素ゼリー』。1日当たり摂取目安量の30g（3本）に、水素分子0.9mgを含む。

　容器包装には、「本品には水素分子が含まれます。水素分子にはストレスを抱えている女性の方の睡眠の質（睡眠時間延長感）を高める機能が報告されています」と表示する。

　安全性は、喫食実績による評価と、既存情報による食経験の評価によって確認。喫食実績については、約16万9000人の日本人が摂取し、2019年10月から現在までに約169万6000本が販売された。現在のところ、重篤な有害事象はないと報告している。

　有効性は、機能性関与成分（水素分子）に関する研究レビューによって評価した。最終的に採用した研究論文は1報しかなかった。

　採用した研究論文によると、ストレスを抱える女性20人を対象に、プラセボ対照二重盲検ランダム化並行群間比較試験を実施。一方のグループに、1本当たりに水素分子0.3mgを含むゼリーを1日3本、4週間にわたって連続して摂取してもらい、もう一方のグループには、空気を含んだゼリー（プラセボ食品）を同様に摂取してもらった。

　その結果、「睡眠時間」（OSA睡眠調査票MA版の第5因子）について、グループ間で有意差が認められたという。

“いわゆる健康食品”と差別化へ

　水素関連商品は一定規模の市場を形成しているが、“いわゆる健康食品”しかなかった。そうした商品群では、科学的根拠があいまいなまま、違法に行き過ぎた効果をうたう商品が散見され、品質管理の面でも、水素含有量が表示値を下回るといった問題が指摘されてきた。

　今回、初めて機能性表示食品が登場したことで、今後は水素関連商品の届出が相次ぐと予想される。問題を抱える“いわゆる健康食品”とは一線を画した市場が形成されるか、注目されそうだ。