2023.02.13 通販会社
資生堂期末決算は減収減益、ECは微増・中国市場でW11が苦戦
目次
コア営業利益は20.6%増、EC比率は33%に拡大
売上高は、「中国事業」のW11市場が前年を大きく下回ったほか、市場の回復が遅れた「日本事業」は前年並み。一方、「トラベルリテール事業」「アジアパシフィック事業」「米州事業」「欧州事業」は、スキンビューティーブランド「SHISEIDO」や、主力メイクアップブランド「NARS」などが成長をけん引したことで、前年を上回った。
営業利益から構造改革に伴う費用・減損損失など、非経常的な要因で発生した損益(非経常項目)を除いたコア営業利益は、前期比20.6%増の513億4000万円となった。
EC比率は33%と成長。「日本事業」は、新会員サービス「Beauty Key」を導入し、デジタルコミュニケーションの強化に努めた。「中国事業」は、最大のECイベント・W11での市場鈍化の中、年間EC売上は成長を実現した。
アジアでは台湾が回復、韓国や東南アジアは力強い成長を継続
「アジアパシフィック事業」は、デジタル活用による顧客接点の拡大でアジア全体の成長を継続。「NARS」が好調だった「米州事業」は、デジタルマーケティング強化を通じたECの力強い成長で、シェアを拡大した。「トラベルリテール事業」もECの伸長などで力強く成長した。
「日本事業」は、売上高が前期比8.2%減の2376億6500万円、コア営業損失は、同196 億円悪化の130億8900円。回復が遅れていた中価格帯市場が下期に回復基調に転じた。スキンビューティーブランドへの戦略的投資を継続的に強化し、9 月には「エリクシール」から化粧水・乳液をリニューアル発売。第 4 四半期には「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」から新製品・限定品を展開するなど、ブランド・商品の価値伝達強化に取り組んだ。
「中国事業」の売上高は前期比 6.0%減の2582億2600万円、ロックダウンなどの影響を受け、前年を下回った。コア営業損失は、売上減による差益減などにより、同80億円悪化の39億4100万円となった。大型プロモーションを中心とした成長から、より消費者のニーズを踏まえたブランド・商品の価値伝達による持続的成長への転換を進めている。
「アジアパシフィック事業」の売上高は前期比7.0%増の680億1700万円、コア営業利益は、人件費や経費などの増加で、前年に対し3億円減益の47億1600万円となった。台湾が第4四半期から回復に転じたほか、韓国や東南アジアなどは力強い成長を継続した。
欧米事業は好調
「米州事業」は、売上高が前期比13.6%増の1379億1600万円、コア営業利益は売上増に伴う差益増などで、前年に対し60億円増益の76億6000万円。コロナ禍による影響の緩和と経済活動の正常化に伴い、化粧品市場は全カテゴリーで成長を継続した。
「欧州事業」の売上高は前期比 9.8%増の1284億4000万、コア営業利益は、売上増に伴う差益増などで、前年に対し42億円増益の69億2600万円。コロナ禍による影響の緩和と経済活動の正常化に伴い、化粧品市場は全 カテゴリーで成長を継続。「NARS」や「narciso rodriguez」などが力強い成長を実現し、シェアと売上高を拡大した。
次期業績は増収・現役の見込みに
空港・市中免税店などでの「トラベルリテール事業」は、売上高が前期比35.7%増の1636 億5000万円、コア営業利益は、売上増に伴う差益増などで、前年に対し149億円増益の 376億7800万円となった。旅行客の往来が再開し、欧米を中心に急速に回復が進んだ。
23年12月期の通期見通しは、売上高が1兆円(前期比6.3%減)、為替影響などを除く実質ベースでは 11%の成長。利益については、売上増に伴う差益増の一方、中長期的な成長に向けた戦略的投資や、インフレに伴う原材料費・人件費の上昇影響を織り込み、コア営業利益は600億円(同)16.9%増、純利益は280億円(同18.1%減)を見込んだ。
引き続き、スキンビューティー事業の拡大やデジタルを中心としたビジネスモデルへの転換など、成長領域への積極投資による継続的な安定成長の実現と、コスト構造改革による収益性の改善を推進。今後の市場回復や戦略領域への積極投資による売上創出と、原価率改善などを通じて、さらなる増益をめざす。
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