2023.01.10 行政情報
アップセル・クロスセル規制めぐり、業界団体と消費者団体が鋭く対立
電話注文時のアップセル・クロスセルを規制するため、消費者庁が実施した「電話勧誘販売」の対象拡大に関するパブリックコメント募集を通して、業界団体と消費者団体が鋭く対立している構図が浮かび上がった。

電話勧誘販売に新たな規制、昨年12月29日までパブコメ募集
改正案は、特定商取引法で規制する電話勧誘販売の範囲を拡大するというもの。テレビショッピングやインターネット広告などを見て、消費者が電話注文した際に行うクロスセルやアップセルも電話勧誘販売とする。
電話勧誘販売は、事業者が消費者へ電話、または消費者に電話をかけさせて、商品・サービスを勧誘する行為。改正案は、消費者に電話をかけさせる手法に、テレビ・ラジオ、新聞・雑誌、ウェブページの利用を追加した。
改正へ向けて、消費者庁は昨年11月30日~12月29日、特商法の政令(案)についてパブリックコメントを募集した。
JADMA、バリエーションの違いは不意打ち性がないと反対
(公社)日本通信販売協会(JADMA)は提出意見で、新たな規制に反対した。広告に掲載した商品以外であっても、色・サイズなどバリエーションの違いや、消耗品などの関連商品を勧める場合は、消費者にとって不意打ち性がないと主張。これらもすべて広告に掲載することは現実的でないとしている。
広告に掲載した商品にはクーリングオフが適用されず、それ以外の商品には適用されることから、新たな消費者トラブルを招くと指摘。また、店頭販売の方が「むしろ勧誘のプレッシャーはより強い」として、公平性を欠くとしている。
消費者団体は賛成、通販による勧誘の巧妙化を問題視
一方、消費者団体は新たな規制に対し、全面的に賛成に回った。適格消費者団体の特定非営利活動法人・消費者市民ネットとうほくは、被害実態を踏まえた重要な規定であるとする意見を提出した。その理由に、テレビショッピングで格安のメガネを宣伝し、消費者が電話で注文すると、高額のサプリメントの購入を勧誘するケースなど、不意打ち勧誘の実態があることを挙げた。
特定適格消費者団体の特定非営利活動法人・消費者支援ネット北海道も改正案を支持した。若年層を中心に、ウェブサイトで儲け話のアドバイスをすると表示し、動画サイトにアクセスするように誘引して、電話で情報商材を勧誘するという事例を挙げ、「被害実態を踏まえた極めて適切な改正」と主張している。
特定適格消費者団体の特定非営利活動法人・消費者機構日本も、通信販売の勧誘が巧妙化している点を問題視し、改正案を支持した。
(木村 祐作)
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