初年度の売上目標を5.5億円に設定

　ワークマンは既存店513店（WORKMAN Pro店1店舗含む）とWORKMAN Plus426店、さらに「#ワークマン女子」22店の計961店舗を展開。今回の出店店舗は、6月に開店した池袋サンシャインシティアルパの複合店と同面積の都内最大級の売場を持つ旗艦店となる。デパートの新たな客層の取り込みを期待し、初年度売上目標は強気の5.5億円を見込み、同社の売上ランキングでは、池袋となんば店に続く全国3位の座を狙っている。

　デパート出店の狙いの1つは、人気の「#ワークマン女子」店の路面店の本格的な地方展開に向けたブランド力の向上。女子店が出店できるのは商圏人口15万人以上の地方都市としていたが、ブランド力を高めて10万人以下に落とすことを目標にしている。

　2月の「（来年2月までの）価格据え置き宣言」の効果で、ワークマンの春夏物商戦は好調。「価格据え置き宣言」はさらに23年8月までの延長を決めた。今年の秋冬物の価格競争を見据えながら、来年の春夏主力PB製品の96.3％の価格を据え置くという。

「WORKMAN Shoes」との複合店効果が顕著に

　「#ワークマン女子」なんばCITY店は4月、増床して「WORKMAN Shoes」の１号店を併設したが、Shoes店効果で女子店の売上が2割増加。Shoesとウエアの相性が良く、相乗効果が出ることが分かった。また、Shoesの魅力で男性客も大幅に増加した。それまで同店は女子店としては並みの売上の店舗だったが、併設後の売上は全店中の2位に浮上している。

　「WORKMAN Shoes」の2号店も、同様に「#ワークマン女子」池袋サンシャインシティアルパ店に併設。サンシャイン複合店の開店売上は、これまで１位だった「#ワークマン女子」の１号店の横浜桜木町コレットマーレ店の145％アップとなった。池袋店となんば店の業績が同社の全店舗でダントツの1位と2位になっているのは、「WORKMAN Shoes」店との複合店効果だという。

　両店の成功で、今後は全国に出店する「#ワークマン女子」には、すべて「WORKMAN Shoes」店を併設することにした。来年3月末までに、全国で女子とShoesの複合店は8店舗になる。来期も、併設で15店以上を出店する計画という。

フォーマット固定後の10年で400店舗出店も

　一体型店舗の業態は強力で、人口が少ない地域への出店のメドが付き始めた。製品ライン充実（商圏人口の少ない地方ほど製品の幅を広げる）は必要だが、複合店の出店フォーマットが最終的に固まってから10年で400店舗を出店できる可能性が高まっているという。

　同社によると、「#ワークマン女子」は大型ショッピングセンター（SC）やデパートからの出店依頼が殺到している。SC運営者から見て1番誘致したい店舗になっているという。「WORKMAN Shoes」の併設で、人気はさらに高まっている。同社の高機能で低価格なShoesは競合が皆無のため、「WORKMAN Shoes」だけの出店要請も数多く寄せられている。